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IdeaCentre 720 ゲーミングエディションレビュー
レノボのideacentre 720は、コスパが非常に高いデスクトップPCです。CPUは高性能なCore i7-7700でメモリーは大容量の16GB、さらに256GBのPCIe接続SSDを搭載したハイスペックな構成で値段は税込10万円程度。他社メーカーの同スペック製品よりも価格が安い点が大きな魅力です。
ideacentre 720の特徴
高スペックなのに安い
CPUには高性能なCore i7-7700を採用。メモリー容量は16GBで256GB SSDも搭載していますが、他社製品よりも値段がグッと押さえられています。
スッキリしたフロントパネル
端子類はカバーの下に隠されているので、フロントパネルがスッキリしています。もっとも目につきやすい部分だけに、このような配慮はうれしいですね。
ツールレスでメンテしやすい
ドライバーなどの工具を使わなくても内部にアクセスしたり、一部のパーツを取り外すことが可能です。メンテナンスやパーツ交換を手軽に行なえます。
今回はメーカーからお借りした実機を使って、ideacentre 720の本体デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- 1:ideacentre 720のスペック
- 2:本体の外観と内部
- 3:消費電力と駆動音、CPU温度について
- 4:ベンチマーク結果
- 5:まとめ
ideacentre 720のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i7-7700 |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB M.2 SSD(NVMe) + 2TB HDD |
グラフィックス | Intel HDGraphics 620(CPU内蔵) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN + Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB3.0×6(前面4+背面2)、USB2.0×2(背面)、VGA(D-sub15ピン)、HDMI、有線LAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力/マイク入力、オーディオ端子類 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1、PCI Express x1 ×2、SATA×4、M.2×1 |
ドライブベイ | 5インチ×1、3.5インチ×2、2.5インチ×1 |
電源 | 最大225W |
サイズ/重量 | 幅165×奥行き324.5×高さ376mm/約10kg |
セキュリティー | ー |
保証サービス | メーカー保証1年間 ※有料サービスあり |
※2018年4月12日時点。構成や価格は変更される場合があります
ideacentre 720はスペック固定で、パーツカスタマイズに対応していません。と言っても基本スペックが十分高いので、カスタマイズによるパーツのアップグレードは必要ないでしょう。またカスタマイズ非対応であるぶん価格が安く、同じ構成の他社製品よりも安く買える点が大きな魅力です。
ideacentre 720 | A社製品 | B社製品 | C社製品 |
---|---|---|---|
10万6007円 | 13万円前後 | 12万9000円程度(第8世代) | 12万7000円程度(第8世代) |
本体の外観と内部
コンパクトでシンプルなデザイン
ideacentre 720は、デスクトップPCのなかでも「ミニタワー型」に分類されるモデルです。本体サイズは幅165×奥行き324.5×高さ376mmで、スタンダードタイプのデスクトップPCとしてはコンパクト。スッキリとしていて高級感のあるデザインも好印象です。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
公式スペックには前面にUSB3.0×4とありますが、ふたつの端子にはUSB3.0であることを表わす「SS」という表記がありません。念のためすべての端子でUSBメモリーのアクセス速度を計測してみましたがほぼ変わらなかったため、やはりすべてUSB3.0のようです。
前面のインターフェース
- ① DVDスーパーマルチドライブ
- ② SDメモリーカードスロット
- ③ ヘッドホン出力/マイク入力
- ④ USB3.0(SS表記あり)
- ⑤ USB3.0(SS表記なし)
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① オーディオポート
- ② VGA(D-sub15ピン)
- ③ HDMI
- ④ USB3.0
- ⑤ USB2.0
- ⑥ 1000BASE-T対応有線LAN
ツールレスでメンテナンスしやすい
ideacentre 720はドライバーなしでもパーツの交換やメンテンスが可能です(一部のパーツの取り外しにはドライバーが必要)。ただしドライブベイや拡張スロットなどはやや少なく、ミニタワー型としては拡張性がやや低めでした。
なお公式スペックにはドライブベイが5インチ×1と3.5インチ×2、2.5インチ×1と記載されているのですが、5インチ×1と3.5インチ×1しか見つけられませんでした。
消費電力と駆動音、CPU温度について
ここからは、ideacentre 720の各種検証結果を紹介します。なおideacentre 720はスペック固定ですが、検証/ベンチマーク結果は個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わることがあります。
Core i7としては消費電力はやや低い
CPUが高性能であるほど消費電力は大きくなるのですが、ideacentre 720はCore i7-7700搭載機としては消費電力が控えめです。もしかすると、電力効率の高い電源ユニットを使っているからかもしれません。消費電力が低いと電気代が安くなるメリットはありますが、それよりも内部の熱が上がりにくいメリットのほうが大きいでしょう。
1分間の平均消費電力
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|
19.8W | 22.8W | 99.6W | 57W |
※消費電力の計測方法はコチラ
駆動音は控えめ
駆動音(ファンの回転音や排気音など)はCore i7搭載PCとしては控えめでした。CPUに高い負荷がかかる動画変換時でも、うるさくは感じません。ただ常時低い回転音が聞こえる状態で、まったくの無音というわけでもありませんでした。
駆動音の計測結果
電源オフ | 36.8dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 40.3dBA | 低い回転音が少し聞こえる |
動画視聴 | 40.5dBA | 同上 |
動画変換 | 49.4dBA | ファンの高い回転音がはっきりと聞こえる |
3Dゲーム | 40.9dBA | 低い回転音が少し聞こえる |
※駆動音の計測方法はコチラ
高負荷時のCPU温度は高い
CPUの最大温度は動画変換時で90度です。かなりの高温ですが、ファンが強くまわっていない様子を見ると、内部の熱が上がりにくい設計になっているのかもしれません。あるいは、気が付かない程度にパフォーマンスが抑えられている可能性もあります。
CPUの最高温度
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|
62℃ | 55℃ | 90℃ | 77℃ |
※本体温度の計測方法はコチラ
起動時間は平均17秒前後
起動時間(電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間)は17.22秒でした。SSDとしては標準的ですがHDDよりも圧倒的に速く、スグに使い始められます。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
17.0秒 | 17.3秒 | 18.2秒 | 16.8秒 | 16.8秒 | 17.22秒 |
ideacentre 720のベンチマーク結果
ストレージ性能
256GB SSDはPCIe接続で、シーケンシャルリードが3218MB/秒と爆速です。HDDについても、標準よりも速い結果が出ました。ファイルのやり取りはもちろん、Windowsの操作も快適に行なえるでしょう。
CPU性能
CPU性能を計測するベンチマークの結果を見ると、主にマルチコア性能を計測するCINEBENCH R15ではCore i7-7700の平均値よりも低く、数値計算メインのPassMark PerformanceTest 9.0では平均値を上回る結果となりました。CPUの熱を抑えるために一部の処理でパフォーマンスを抑えている可能性がありますが、体感的にはそれほど気にならないはずです。
3D性能
ideacentre 720ではCPU内蔵のグラフィックス機能を使用します。専用のチップを使ったグラフィックス機能(dGPU)に比べると性能はグッと落ちますが、同じ構成のCore i7-7700搭載PCとほぼ同じレベルです。軽めのゲームであれば解像度を1280×720ドットに下げたり、画質を低くすることで問題なく遊べますが、あまりおすすめできる性能ではありません。
ゲーム系ベンチマーク結果(フルHD)
FF15ベンチ (DX11) ※重いゲームの目安 | |||
---|---|---|---|
高品質 | 標準品質 | 軽量品質 | |
362(動作困難) | 624(動作困難) | 794(動作困難) | |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中規模クラスの目安 | |||
最高品質 | 高品質(デスクトップPC) | 標準品質(デスクトップPC) | |
1156(設定変更が必要)※7.068 FPS | 1246(設定変更が必要)※7.619 FPS | 2680(やや快適)※17.704 FPS | |
ドラゴンクエストX ※軽めのゲームの目安 | |||
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
5758(快適) | 7328(とても快適) | 8568(とても快適) |
※FF14の標準品質で「やや快適」との評価が出ていますが評価としては低く、画面がかなりカクつきます
VR性能
Oclus RiftやHTC Viveなどを利用するには、専用グラフィックス機能が必要です。CPU内蔵グラフィックス機能のみのideacentre 720では、まともに動作しないものと思われます。VRコンテンツを楽しみたい人は、自分でGeForce GTX 1060以上のグラフィックボードを追加してください。
Windows Mixed Realityについては上位のUltraは無理ですが、下位基準であれば推奨スペックを満たしそうです。しかし「Windows Mixed Reality PC Check」でテストしたところ、グラフィックドライバー対応していないとのことでした。Windows Updateやドライバーの更新も試してみたのですが、問題は未解決のまま。なにかほかに原因があるのかもしれませんが、結局わかりませんでした。
コスパの高いCore i7デスクトップPC
現在は第8世代のCore i7-8700が出回っており、パフォーマンス面ではCore i7-7700を大きく上回ります。とは言え、Core i7-7700も性能的にはまだまだ現役レベル。動画の編集や変換などでは新CPUのほうが有利ですが、そのほかの日常的な作業であれば体感速度が劇的に変わる場面は少ないでしょう。
むしろ前世代のCPUを搭載しているからこそ値段が安いと考えれば、ideacentre 720を選ぶ価値は大いにあります。高性能なPCをお得に入手したい人におすすめします。
ideacentre 720のまとめ
- 高スペックなのに安い
- メンテナンス性が高い
- 端子の種類と数が多い
※記事中の価格や構成は、記事執筆時のものです。予告なく変更される場合もございますので、あらかじめご了承ください。