レノボの「 Yoga 770i(14型 第12世代インテル)」は、画面が回転する2-in-1タイプのノートPCです。14インチの高精細なディスプレイを搭載しており、特に2.8K OLEDパネルの上位モデルでは非常に美しい映像が映し出されます。プレミアムな2-in-1ノートPCとしておすすめ。
ポイント
- 😄 OLEDの映像は超美麗
- 😄 高性能な第12世代Coreプロセッサ
- 🙄 値段が高い
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 11 Home |
---|---|
ディスプレイ | 14インチ 光沢 タッチ対応 |
パネル | ・2880×1800 OLED 90Hz 400nit DisplayHDR 500対応 DCI-P3 100% ・2240×1400 IPS 60Hz 300nit sRGB 100% |
CPU | Core i5-1235U / Core i5-1240P / Core i7-1255U / Core i7-1260P |
メモリー | 8~16GB LPDDR5-4800 ※オンボード |
ストレージ | 512GB / 1TB NVMe SSD |
グラフィックス | Iris Xe(CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
インターフェース | Thunderbolt 4×2(USB PD / 映像出力対応)、USB3.2 Gen1×1、HDMI、microSDカードスロット、ヘッドセット端子 |
生体認証 | 顔認証用IRカメラ |
サイズ / 重量 | 幅316.66mm、奥行き220.25mm、高さ17.35mm / 約1.42kg |
バッテリー | 4セル 71Wh 約12時間駆動 |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-1260P |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
グラフィックス | Iris Xe(CPU内蔵) |
※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に設定した上で、標準収録ユーティリティー「Lenovo Vantage」で「電源およびパフォーマンス」をもっとも高性能な「エクストリーム・パフォーマンス」に変更。さらに電源アダプターを接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第12世代のCore i5またはCore i7が使われています。試用機で使われていたCore i7-1260Pは12コア(Pコア4+Eコア8)の16スレッドで、第11世代のCore i7からマルチコア性能が大きく向上しました。最高クラスではありませんが、非常に優秀な結果です。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R23 CPUスコア |
---|---|
Core i7-1280P |
12396
|
Ryzen 7 6800U |
9214
|
Ryzen 7 5800U |
9195
|
Yoga 770i(Core i7-1260P) |
8447
|
Ryzen 5 5600U |
8411
|
Ryzen 7 5700U |
8304
|
Ryzen 5 5500U |
6779
|
Ryzen 3 5400U |
5693
|
Ryzen 3 5300U |
5140
|
Core i5-1135G7 |
4932
|
Core i7-1165G7 |
4711
|
Core i3-1115G4 |
3378
|
Celeron N4500 |
1120
|
Celeron 6305 |
1081
|
※10分間実行し続けた際の最終スコア。そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
シングルコア性能を含めたCPUの総合性能では、モバイルRyzen 7 6800Uと同等レベルの結果でした。普段使いなど軽めの作業に影響するシングルコア性能を別のテストで行なったところ、モバイルRyzenシリーズよりも優れた結果が出ています。特に事務処理や文書作業などでは、大いに活躍するでしょう。
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-1280P |
23954
|
Ryzen 7 6800U |
20679
|
Yoga 770i(Core i7-1260P) |
20238
|
Ryzen 7 5800U |
19213
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
Ryzen 5 5600U |
17530
|
Ryzen 5 5500U |
12362
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Ryzen 3 5400U |
11695
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のIris Xe Graphicsが使われています。第12世代CoreプロセッサはCPU性能は大きく向上したものの、グラフィックス性能はあまり変わっていません。メモリーの高速化によって、多少影響が出ている程度だと思われます。
それでも従来のCPU内蔵グラフィックスよりは高性能ですが、大作ゲームや高度な動画編集を行なえるほどではない点に注意してください。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
Radeon 680M(Ryzen7) |
2014
|
MX450 |
1996
|
Yoga 770i(Core i7) |
1632
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
ベンチマークテストの結果は非常に優秀で、従来のGPU非搭載ノートPCのスコアを全体的に大きく上回っています。GPU非搭載ながら、GPU搭載機よりもコンテンツ制作では有利な場面もあるでしょう。小規模な作品作りであれば、ある程度は問題なく作れるはずです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
10743
9477
8362
9667
9418
10093 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
6474
6534
8253
8530
7927
8766 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
6389
5363
6187
8109
8486
10284 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
▶GALLERIA UL7C-R37 | Core i7-11800H / 16GB / RTX 3070 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は約12時間とされています。ただし公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。
そこでCore i7搭載のOLEDモデルを使ってビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、開始から5時間51分で休止状態へ移行しました。公称値よりもかなり短い結果でしたが、パフォーマンス設定を最大にしているからかもしれません。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※OLED Core i7モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大12時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 5時間51分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 58分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間17分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能
ゲーム系ベンチマークを試したところ、ごくごく軽いドラクエ10ベンチなら快適との評価が出ました。同程度のタイトルとしては競技系のヴァロラントや、UWPアプリの小規模タイトルなどが挙げられます。中規模クラスのタイトルは画質と解像度をかなり下げれば、快適に遊べる目安の平均60FPSをクリアーできるかもしれません。ただあくまでも息抜き程度と考えたほうがいいでしょう。
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 4155 / 29.1 FPS |
高品質 | 5565 / 38.8 FPS |
標準品質 | 7089 / 50.6 FPS |
※1920×1080ドットの結果
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 9549 / とても快適 |
標準品質 | 11149 / すごく快適 |
低品質 | 11588 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
プレミアムな2-in-1ノートPC
全体的な完成度の高い2-in-1です。パフォーマンスは優秀でディスプレイの映像も美しく、外観もスタイリッシュ。これからの2-in-1の主流となりそうな予感があります。プレミアムクラスの2-in-1を必要とする人にはピッタリでしょう。そのぶん値段もプレミアムですが、最上位のCore i7+OLEDモデルで15万円台(2022年8月時点)なら十分アリだと思います。
個人的に気になるのは、もう8GBメモリー搭載モデルはいらないのでは? という点です。販売する側として少しでも安く見せたい気持ちはわかりますが、プレミアムクラスの機種なのに8GBメモリーはアンバランスな気がします。メモリー増設に対応していないので、購入の際は16GBメモリーのモデルを選ぶよう注意してください。
*
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