HP ProDesk 405 G6 DMは、Ryzen PRO4000シリーズ搭載のデスクトップPCです。本体が非常にコンパクトなので、設置に場所を取らない点が魅力。しかも価格は3~5万円台と安いのに、驚くほど高いパフォーマンスを実現しています。お値段以上の価値がある、要注目の機種です。

HP ProDesk 405 G6 DM
ラインナップ
APU/メモリー/ストレージ/Win10 | 税込価格 |
---|---|
Athlon PRO 3150GE / 4GB / 128GB SSD / Home | 3万8100円 |
Ryzen 3 PRO 4350GE / 8GB / 256GB SSD / Home | 4万8100円 |
Ryzen 5 PRO 4650GE / 8GB / 256GB SSD / Home | 5万4100円 |
Ryzen 3 PRO 4350GE / 8GB / 256GB SSD / Pro | 5万3100円 |
Ryzen 5 PRO 4650GE / 8GB / 256GB SSD / Pro | 5万9100円 |
※2021年9月28日時点
HP ProDesk 405 G6 DMのスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
APU | ・Athlon Gold Pro 3150GE ・Ryzen 3 PRO 4350GE ・Ryzen 5 PRO 4650GE |
メモリー | ・4GB (Athlon) ・8GB(Ryzen) ※スロット2基、SO-DIMM、最大64GB |
ストレージ | ・128GB SSD ・256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(APU内蔵) |
電源 | 65W ACアダプター |
サイズ | 幅177mm 奥行き175mm 高さ34.2mm |
重量 | 約1.25kg |
※2021年4月2日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | ※独自仕様 |
---|---|
SATAポート | 1 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用、ストレージ用) |
光学ドライブ | - |
ドライブベイ | 2.5インチ×1 |
拡張スロット | - |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | 5 |
USB3.2 | ・Gen1×6 (前面2、背面4)(Athlon) ・Gen2×4 (前面2、背面2)、Gen1×2(背面)(Ryzen) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2(USB3.2 Gen2、前面1、背面1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | 1 |
DVI | - |
シリアルポート | - |
PS/2 | - |
付属品 | 電源アダプター、USBキーボード、USBマウス、スタンドなど ※カスタマイズで省略可能 |
オフィス | ※オプション |
この記事では筆者が購入した実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
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※2021年9月28日時点

本体の外観
サイズについて
厚さがわずか3.42cmのHP ProDesk 405 G6 DMは、デスクトップPCのなかでは「コンパクト型」に分類されます。一般的なミニタワー型と比べて本体がかなり小さく、設置面積が小さくてすむのが特徴。専用アダプター(別売り)を使えば、VESA対応ディスプレイの背面にも設置できます。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
![]() |
|||
機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |

HP ProDesk 405 G6 DMの外観 ※スタンド使用時

縦置き時に利用するスタンド

横向きでも設置可能

設置イメージ ※ディスプレイは23.8インチ

モバイルディスプレイにつなげば、とてもコンパクトにまとめられます ※ディスプレイは14インチ

モバイルバッテリーでも利用可能。給電可能なType-Cディスプレイなら、本体とケーブル1本でつなぐだけ

前面(上)と背面(下)。高さは3.42cm

左右側面

天面と底面。幅17.7cm×奥行き17.5cmで、ほぼ正方形型

重さは実測で1.107kg

付属の電源アダプターは65Wの丸口コネクター

標準付属のUSBキーボードとUSBマウス。省略可能ですが、「なし」でも価格は変わりません

Type-Cケーブルも付属
インターフェースについて
HP ProDesk 405 G6 DMはコンパクト型としては、十分なインターフェース(端子類)が用意されています。ただしメモリーカードスロットには対応していない点に注意してください。またBIOS設定を変更するとキーボードから電源を入れられるとのことらしいのですが、設定を変えても付属のキーボードでは電源を入れられませんでした。
前面のインターフェース
- ① USB 3.2 Gen2 Type-C(データ通信用)
- ② USB3.2 Gen2
- ③ USB3.2 Gen1
- ④ ヘッドホン端子
- ⑤ 電源ボタン
公式サイトの商品ページでは⑤と⑦の端子が「USB2.0」と記載されていますがこれは間違いで、 実際にはUSB 3.2です。
背面のインターフェース ※Ryzenモデル
- ① HDMI
- ② DisplayPort
- ③ USB3.2 Gen1
- ④ USB3.2 Gen1
- ⑤ USB3.2
- ⑥ USB3.2
- ⑦ USB3.2 Gen1
- ⑧ 有線LAN
- ⑨ 電源コネクター
USB Type-Cは前面がデータ通信とUSB機器への充電に対応、背面はさらにUSB PDによる給電と映像出力に対応しています。ディスプレイ側に65W以上の出力が可能なType-Cがあれば、本体側の電源ケーブルは不要です。
Type-C端子の機能(背面のみ)
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | ○ |
USB PD 100W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
3系統の映像出力はすべて4K60Hz対応です。手持ちの4Kディスプレイが足りなかったので確認できていませんが、おそらく3画面同時出力も可能だと思われます。
4K60Hzでの出力
HDMI | ○ |
---|---|
DisplayPort | ○ |
USB Type-C | ○ |
ThinkCentre M75q Tiny Gen2との比較
コンパクト型PCのカテゴリーでは、レノボの「ThinkCentre M75q Tiny Gen2」が人気です。機能やサイズはかなり似ていますが、標準でWi-Fi 6 / BluetoothとType-Cに対応するHP ProDesk 405 G6 DMのほうが総合的には高コスパだと思います。ただしHP ProDesk 405 G6 DMはRyzen 7に対応していない点が残念。Ryzen 3/5ならHP ProDesk 405 G6 DM、Ryzen 7ならThinkCentre M75q Tiny Gen2とAPUによって選ぶといいかもしれません。
https://komameblog.jp/review/thihnkcentre-m75q2/

HP ProDesk 405 G6 DM(上)とThinkCentre M75q Tiny Gen2(下)

HP ProDesk 405 G6 DM(上)とThinkCentre M75q Tiny Gen2(下)

HP ProDesk 405 G6 DM(手前)とThinkCentre M75q Tiny Gen2(奥)
HP ProDesk 405 G6 DMとThinkCentre M75q Gen 2の違い
HP ProDesk 405 G6 DM | ThinkCentre M75q Gen 2 | |
---|---|---|
APU | ・Atlon GOLD PRO 3150GE ・Ryzen 3 PRO 4350GE ・Ryzen 5 PRO 4650GE |
・Ryzen 3 PRO 4350GE ・Ryzen 5 PRO 4650GE ・Ryzen 7 PRO 4750GE ・Ryzen 3 4300GE ・Ryzen 5 4600GE ・Ryzen 7 4700GE |
サイズ | 幅177mm 奥行き175mm 厚さ34.2mm |
幅179mm 奥行き182.9mm 厚さ36.5mm |
重量 | 1.25kg | 1.25kg |
Wi-Fi / Bluetooth | Wi-Fi 6 / 5 | ※オプション |
インターフェース | USB3.2 Gen2×4 USB3.2 Gen1×2 USB Type-C×2 HDMI DisplayPort ヘッドホン端子 有線LAN |
USB3.1×3 USB2.0×2 USB Type-C×1 HDMI DisplayPort ヘッドホン端子 有線LAN |
※2021年4月2日時点
分解方法とパーツ交換について
内部へのアクセス方法
HP ProDesk 405 G6 DMはカバーを外すことで、パーツの交換やメンテナンスを行なえます。背面のネジは手で外せますが、内部のネジはT15トルクスドライバーが必要なのであらかじめ準備しておいてください。

背面のネジを取り、カバーを外します。カバーはなかなか外れないため、前面側のすき間からこじ開けるようにして外してください。背面のフレームを曲げないように注意

カバーを外した状態
各部のパーツ

メモリースロットは空冷ファンの下

M.2スロットは2.5インチドライブベイの下に配置されています

2.5インチドライブベイにはHDDやSSDをセット可能。写真は7mm厚のHDDをセットした状態

9.5mm厚のHDDでも問題なくセットできました

ただしコネクターの部分がグラつきます。すき間になにかはさんでおくといいかもしれません
※2021年5月16日追記
HP純正の2.5インチベイ増設用ネジを利用すると、正しく固定できるとの情報をいただきました。ゴム製のワッシャーにより、グラつかなくなるようです。
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フロント部分にスピーカー

Wi-Fi(無線LAN)のアンテナはこの部分に接続されています。電波感度は特に問題ありませんでした

アンテナを利用するなら、電源コネクター上の部分をドライバーなどで押し込んで接続用の穴を開けてください
HP ProDesk 405 G6 DMのベンチマーク結果
テスト機のスペック
CPU | Ryzen 3 PRO 4350GE |
---|---|
メモリー | 8GB(4GB×2) |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics |
※ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した状態で実施しています
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します。ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
ストレージ性能
ストレージ構成は128GB SSDまたは256GB SSDです。テスト機では、128GBでPCIe 3.0 x4接続のSSDが使われていました。通常のテストではアクセス速度は高速でしたが、データ量の多いテストを連続で行なうとシーケンシャルライトの速度が大きく低下します。おそらく、サーマルスロットリングが発生しているのでしょう。ただし内部のスペース的にはヒートシンクを設置する余裕がないので、放熱シートなどを使うといいかもしれません。

256GB SSDのアクセス速度。左は標準テスト時で、右は高負荷テスト時
CPU性能
CPUには、「Renoir」ことZen 2世代のRyzen PRO 4000GEシリーズが使われています。名前に「PRO」が付くCPUは、管理/セキュリティー機能を強化したビジネスPC向けです。個人で利用する際は特に気にする必要はありません。しかしメーカー製PCに搭載されたPROシリーズは、ほかのマザーボードで使えない可能性があります。CPUを抜き取って使えない場合があるので注意してください。
HP ProDesk 405 G6 DMで使われているのは、末尾に「E」が付く省電力版です。「E」が付かない通常電力版に比べて、パフォーマンスが若干落ちる場合があります。

デスクトップ向けRenoirのラインナップ
今回テストしたのは下位のRyzen 3 PRO 4350GE搭載モデルで、ベンチマークテストの結果はそれほど高くはありませんでした。とは言えひと世代前のCore i5-9400に迫るほどのスコアですから、なかなか高性能です。最新ノートPCで使われているCore i7-1165G7と比べると、スコアでは19%上回っています。
上位のRyzen 5 PRO 4650GEであれば、さらに高いパフォーマンスを期待できます。ほかの機種の結果ですがひと世代前のCore i7-9700を上回っているので、かなり高性能と言っていいでしょう。4万円台で購入できるPCとしては驚きのパフォーマンスです。

CPUの性能比較
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵グラフィックスが使われます。3Dベンチマークの結果は専用GPUのGeForceシリーズなどに及ばなかったものの、内蔵グラフィックスとしてはそこそこ優秀な結果が出ました。特にインテルCore iシリーズ内蔵のUHD Graphics 630を大きく上回っています。ゲームやクリエイター向けソフトで、多少の効果を感じられるでしょう。
ちなみにRyzenシリーズはメモリーがデュアルチャネルで動作していると、グラフィックス性能が大きく伸びる傾向が見られます。4GB×1あるいは8GB×1枚などのシングルチャネルでは性能が低いので、デュアルチャネルでの利用がおすすめです。

DirectX 12の性能を計測するTime Spyのスコア比較

DirectX 11の性能を計測するTime Spyのスコア比較
PCとしての汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
9171 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
6890 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
5091 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。HP ProDesk 405 G6 DMのRyzen 3モデルでは、すべてのテストをで快適に使える目安をクリアーしました。特にビジネス系のスコアが優秀です。上位モデルであればさらに高いパフォーマンスを期待できますが、Athlon搭載の下位モデルではコンテンツ制作のテストがちょっと厳しいかもしれません。
ゲーム系ベンチマーク結果
Ryzen 3モデルでゲーム系ベンチマークを試したところ、ごく軽いドラクエ10は快適との評価でしたが、やや重いFF14やかかなり重いFF15では厳しそうな評価でした。少し重いだけのゲームであれば、解像度や画質をグッと下げればなんとか60FPS前後で遊べそうな雰囲気です。
FF15ベンチ (重い / DX11)

画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 671 / 動作困難 |
標準品質 | 1451 / 動作困難 |
軽量品質 | 1838 / 動作困難 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)

画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 2608 / 17.4 FPS |
高品質 | 2877 / 19.3 FPS |
標準品質 | 4546 / 31.3 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)

画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 9366 / とても快適 |
標準品質 | 12301 / すごく快適 |
低品質 | 14327 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
価格について
HP ProDesk 405 G6 SFFには、パーツ構成が異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおり。パーツカスタマイズには対応していません。
ラインナップ
APU/メモリー/ストレージ/Win10 | 税込価格 |
---|---|
Athlon PRO 3150GE / 4GB / 128GB SSD / Home | 3万8100円 |
Ryzen 3 PRO 4350GE / 8GB / 256GB SSD / Home | 4万8100円 |
Ryzen 5 PRO 4650GE / 8GB / 256GB SSD / Home | 5万4100円 |
Ryzen 3 PRO 4350GE / 8GB / 256GB SSD / Pro | 5万3100円 |
Ryzen 5 PRO 4650GE / 8GB / 256GB SSD / Pro | 5万9100円 |
※2021年9月28日時点
納期については、在庫があれば1周間程度で到着します。在庫がない場合は入荷待ちで、どの程度で到着するのかわかりません。注文後しばらくすると納品予定日メールが届くので、それで確認してください。入荷待ちの場合は気長に待つか、すぐに入手したい場合は在庫のあるモデルを選ぶことをおすすめします。

注文画面でグレーになっているモデルは入荷待ち、白い状態は在庫ありを表わします
なお月~金曜日の平日の夜(21時から翌8時まで)または土日には期間限定クーポンを利用可能です。画面に表示されたバナー画像を押すだけで、クーポンが自動的に反映されます

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お値段以上の超コンパクトPC
よかった点
非常に高性能なPCが3~5万円台のリーズナブルな価格で手に入るのは大きな魅力です。しかもWi-Fi 6とUSB Type-C付き。パーツカスタマイズには対応していませんが、総合的なコスパはThinkCentre M75q Tiny Gen2よりも高いと思います。
気になる点
最上位のRyzen 7モデルが用意されていないのは残念です。Ryzen 5でも十分高性能ですが、Ryzen7を使いたい人も多いのではないでしょうか。今後ぜひ対応していただきたいものです。
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※2021年9月28日時点

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