
GMKtecは、Ryzen AI Max+ 395搭載の小型AIワークステーション「EVO-X3」を発表しました。発売は6/29で、価格は不明。6/22から始まる事前登録で、3500円の限定特典を受け取ることができます。
すべてのスペックはまだ明らかになっていませんが、現時点で判明しているのはCPUがAMD Ryzen AI Max+ 395(16コア/32スレッド)で、グラフィックスはCPU内蔵のRadeon 8060S (40CU、RDNA 3.5)、AI性能はXDNA 2 NPU(50 TOPS)、メモリーはLPDDR5X 8000MHz(64GBまたは128GB)、ストレージがPCIe 4.0 SSD(2TB/4TB)の構成です。

GMKtec EVO-X3
EVO-X2との違いは「筐体」と「OcuLink」
公開されているEVO-X3のスペックは、前モデル「EVO-X2」とほぼ同じです。明らかに変わっているのがわかるのは、筐体の外観とグラボ接続用などに使うOculink端子に対応した程度。現段階では、中身的には大きく変わらないように見えます。
なかでも、筐体デザインは大きく変わりました。具体的なサイズはまだ明らかになっていないものの、「41mm厚の超薄型フルメタル設計へ刷新」されたとあります。前モデルの厚さが77mmだったので、だいぶスリムになっているのでしょう。そのぶん、縦方向と横方向のサイズは大きくなっているはずですが、縦向きに配置するのであれば設置面積はそれほど大きくないはずです。ただ前モデルも同様ですが、サイズ的には「ミニPC」というジャンルから離れているようにも思えます。

前モデル「GMKtec EVO-X2」
もうひとつの新要素であるOcuLink端子は、PCIe Gen4 x4相当の外部インターフェースです。現在はeGPU(外部グラフィックス)にしか使われていないため、ほぼeGPU用と考えていいでしょう。前モデルのEVO-X2はUSB4接続でeGPUを利用できましたが、USB4の理論値が最大40Gbpsであるのに対してOculinkが最大64Gbpsですから、より高いパフォーマンスを得られるだろうと考えられます。
AI特化のミニWS
Oculinkに対応したからと言って、EVO-X3がゲーム寄りになったというわけではありません。本気でゲームを楽しむにはEVO-X3本体+eGPUアダプター+デスクトップ向けグラボが必要ですし、コストや取り回しやすさの面では普通のゲーミングデスクトップPCのほうが有利です。本体が小さいのはある意味ではロマン枠ですが、使用する機材によってはロマンもへったくれもない外観になってしまうので注意してください。順当に考えれば、AI推論ワークロードの拡張用途を念頭に置いた装備でしょう。これでなにかが大きく変わるようなものではなく、「ないよりはあったほうがいい」程度ではないかなと思います。

OculinkアダプターとミニPCの組み合わせ例
最近のEVOシリーズはAI方面に全力で振っており、プレスリリースでも「デスクトップAIワークステーションという新しいカテゴリーを定義する製品」と位置付けています。ローカルLLMを回したい、ローカルAI開発を進めたい、という層に向けた製品であることは間違いありません。単にパワフルなミニPCがほしいというニーズに応える機種ではありませんし、「最強ミニPC」とか「クーポンチャンス」などと持ち上げる機種でもないでしょう。
なによりx86+強いiGPUと高速&大容量のLPDDR5XメモリーでAIをどこまで使えるかという研究は、より高速なユニファイドメモリーで処理が可能なM系(Max以上)Macとは別方向からのアプローチで、これはこれで意義のあるものだと思います。そういうところにビビッとくる人向けであって、最強コスパのミニPCが欲しい人向けではありません。

EVO-X3の特徴
価格は未発表ですが、EVO-X2の128GB+2TBモデルが50万円超で売られている以上、EVO-X3はそれを上回るはずです。EVO-X2の128GBモデルは当初は27~29万円台あたりで、個人ユースでもがんばればなんとかなるレベルでした。しかし50万円オーバーとなると、個人向けと言うよりは企業向けあるいは研究開発向けの意味が強くなると思います。ミニPCではなく「WS(ワークステーション)」としているのも、そのあたりが理由かもしれません。
ちなみに2026年後半には、Ryzen AI Max+ PRO 495(Gorgon Halo)と192GBメモリーを搭載するモデルが計画中とのこと。VRAM容量は推定で160~168GBとも言われており、より大規模なモデルをロードできるようになります。当然価格は跳ね上がるはずですが、ローカルLLM用途ではメモリー容量こそが決定的なので、予算に問題がなく時間的に待てるなら待つ価値はあるでしょう。
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