デルのVostro 5310は、13.3インチのディスプレイを搭載するモバイル用ノートPCです。大きさはほぼA4サイズで、とてもコンパクトである点が特徴。軽量な上に頑丈で、持ち歩きに向いています。
ラインナップ
プレミアムモデル(大容量メモリー・SSD搭載) | |
---|---|
8万3744円 | |
プレミアムモデル(大容量メモリー・SSD搭載) | |
9万1745円 | |
プラチナモデル(大容量メモリー・SSD搭載) | |
11万5746円 | |
プレミアムモデル(大容量メモリー・SSD搭載)※新CPU | |
8万5344円 | |
プレミアムモデル(大容量メモリー・SSD搭載)※新CPU | |
9万3344円 | |
プレミアムモデル(大容量メモリー・SSD搭載)※新CPU | |
11万7346円 |
※2021年8月5時点
Vostro 5310のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
画面サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1200 ※アスペクト比 16:10 |
CPU | ・Core i5-11300H ・Core i7-11370H ・Core i5-11320H ※新CPU ・Core i7-11390H ※新CPU |
メモリー | ・8GB ・16GB ※LPDDR4 x 4267、オンボード |
SSD | ・256GB ・512GB |
HDD | なし |
グラフィックス | Iris Xe |
リフレッシュレート | 60Hz |
モバイル通信 | - |
堅牢性テスト | - |
色域 / 輝度 | 100% sRGB / 300nit |
幅×奥行き | 約296.78×約210mm |
厚さ | 約15.9mm |
重量 | 最小1.26kg |
バッテリー | 4セル 54Whr ※駆動時間は非公開 |
※2021年8月5日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | タイタングレー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | WVA(IPS相当) |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.2 | 1(Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2(PD/DP対応) |
Thunderbolt | 2(USB兼用) |
メモリーカード | - |
HDMI | 1(1.4b) |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 720p(92万画素) |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | オプション |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | オプション ※付属モデルあり |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ
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デザインと使いやすさ
外観について
Vostro 5310はモバイル用のノートPCで、本体は非常にコンパクトです。13.3インチディスプレイを搭載するタイプとしては、これ以上は小さくならないんじゃないかと思うほど。ムダのないシンプルなデザインで、スタイリッシュな印象を受けます。
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは13.3インチ。モバイルノートPCでは主流の大きさです。解像度は1920×1200ドットで、アスペクト比(画面の縦横比率)は16:10。一般的な16:9に比べて縦方向に長く、そのぶんより多くの情報を表示できます。
映像は自然な色合いで鮮やか。試用機ではコントラストが非常に高く、色のメリハリが強く出ていました。公称値では色域は100% sRGB(sRGBカバー率100%)とのこと。文書中心の作業はもちろん、写真や画像の確認、動画の視聴などにも問題なく使えます。
キーボードについて
キーボードはテンキーなしの日本語配列。バックライトは有料オプションで、購入時にあり / なしを選べます。キーピッチは19mmで、標準的な広さ。配列も一見すると標準的ですが、Enterキー周辺で一部のキーが隣接しています。しかしサイズはほぼ同じなので、しばらく使えば慣れるでしょう。
タイプ感は、好みがわかれるかもしれません。全体的に手応えが軽く、ペチペチとした感触です。筆者的には少し合わなかったのですが、普段から薄型ノートPCを使っている人なら違和感は少ないでしょう。
キーを押した瞬間のクリック感は軽め。キーストロークは平均1.35mmで、薄型ノートPCとしてはストローク感があります。ただキーボード中央部でたわみがあり、キーを入力する際にぐらぐらと揺れるのを感じました。普通のキーボードに比べて、若干余計な力が入るように感じます。
タイプ音は軽いタッチでもタクタクと聞こえますが、基本的には静かです。ただし指を打ち下ろすようにしてタイプすると、ドンドンと低音域の音が響きます。おそらく、底面部のすき間で音が反響しているのでしょう。軽いタッチでの入力を推奨します。
インターフェース/機能について
インターフェースは、数も種類も多くはありません。USB端子は合計3ポートで、うち2ポートがType-Cです。あとは映像出力用のHDMIとヘッドホン端子のみ。有線LANやメモリーカードスロットには対応していない点に注意してください。とは言え、外出先で使うことが多いモバイル向けとしては十分な構成と言っていいでしょう。デスクで利用する際は、Thunderboltドックなどを使えばさまざまな機器をつなげられます。
Type-C端子の機能
USB PD 18W充電 | △ ※低速充電 |
---|---|
USB PD 30W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 45W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 65W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 100W充電 | △ ※低速充電 |
映像出力 | ○ |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i5-11300H |
---|---|
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
グラフィックス | Iris Xe Graphics(CPU内蔵) |
※各ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「バランス」に設定した上で、電源オプションを「最も高いパフォーマンス」に変更して実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUは、第11世代のCore i5 / Core i7です。TDP 35Wのいわゆる「Tiger Lake-H35」と呼ばれるシリーズで、ノートPCでよく使われるCore i5-1135G7やCore i7-1165G7(Tiger Lake UP3)などとは異なります。H35は消費電力が大きいぶん、UP3よりも高いパフォーマンスを期待していいでしょう。
Vostro 5310ではH35シリーズのなかでも、新旧のCPUが混在しています。古いCore i5-11300H / Core i7-11370Hよりも、新しいCore i5-11320H / Core i7-11390Hのほうがクロックが上。そのぶん高いパフォーマンスを期待できます。
古いほうのCore i5-11300Hを搭載した試用機でCPU性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、UP3のCore i5 / i7を上回る優れた結果が出ました。Ryzen5000シリーズには及ばないものの、ノートPCとしてはかなり優秀です。
ただVostro 5310は筐体が小さいため内部に熱がこもりやすく、負荷の高い処理を何度も続けると熱でCPU性能が下がる場合があります。実際に同じベンチマークテストを何度か連続して行なったところ、スコアが最大で17%低下しました。CPU性能は高いのですが、高負荷の処理を長時間行なうのは苦手のようです。
CPUの性能差(総合性能)
CPU | PassMark 9.0 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 5700U |
18449
|
Ryzen 5 5500U |
14737
|
Vostro 5310(Core i5-11300H) |
12989
|
Core i7-1165G7 |
12643
|
Core i5-1135G7 |
11434
|
Ryzen 3 5300U |
9550
|
Core i3-1115G4 |
7398
|
Ryzen 3 3250U |
5202
|
Athlon Silver 3050U |
3851
|
Celeron N4500 |
2010
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの性能差(マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 7 5700U |
3512
|
Ryzen 5 5500U |
2817
|
Vostro 5310(Core i5-11300H) |
2168
|
Core i5-1135G7 |
2063
|
Core i7-1165G7 |
1963
|
Core i3-1115G4 |
1314
|
Ryzen 3 3250U |
818
|
Athlon Silver 3050U |
624
|
Celeron N4500 |
426
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のIris Xe Graphicsが使われます。3Dベンチマークテストの結果は、内蔵タイプとしては非常に優秀。さすがに外付けGPUのGeForceシリーズにはかないませんが、ゲームやクリエイター向けソフトなどでの効果を期待できるでしょう。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
MX350 |
1382
|
Vostro 5310(Iris Xe) |
1296
|
Iris Xe (Core i7) |
1250
|
Iris Xe (Core i5) |
1066
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Plus |
812
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe (Core i7) |
4561
|
Vostro 5310(Iris Xe) |
4475
|
MX350 |
3931
|
Iris Xe (Core i5) |
3478
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。テスト結果の比較用に14インチモバイルノートPCのThinkPad X1 Carbon Gen9(Core i7-1165G7+16GBメモリー)と、クリエイター向けノートPCのraytrek R5-CA(Core i7-10875H+16GBメモリー+RTX 3060)の結果もまとめました。
ベンチマーク結果では、なかなか優秀な結果が出ています。快適に使える目安の目標値を大きく上回り、さらに20万円クラスのThinkPad X1 Carbon Gen9と同等レベルのスコアです。GPU性能が影響するコンテンツ制作のテストではさすがにRTX 3060搭載機種には及びませんが、内蔵グラフィックスタイプとしてはなかなか優秀と言っていいでしょう。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9818
10193
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
6498
7072
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
5051
5203
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
ストレージのアクセス速度
ストレージは256 / 512GB SSDです。試用機ではPCIe 3.0 x4接続の超高速タイプが使われていましたが、アクセス速度はほどほどでした。負荷の高いテストを連続して行なうとシーケンシャルアクセスの速度が若干低下するので、サーマルスロットリングの影響があるかもしれません。
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は公開されていません。そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、10時間50分で休止状態へ移行しました。最大パフォーマンスであることを考えれば、十分な結果と言えるでしょう。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果(Core i5モデル)
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 非公開 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 10時間50分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 57分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間23分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
高コスパなモバイルノートPC
よかった点
高いコストパフォーマンスが魅力です。13.3インチモバイルとしては最小クラスで、性能も上位クラス。仕上がりとしてはハイエンドモデルに匹敵します。しかし値段は8万円台からと、ミドルレンジクラスでしかありません。この出来映えなら、10~15万円オーバーでもおかしくありません。お値段以上のバリューがある機種です。
気になる点
個人的には、キーボードのペチペチとしたタイプ感が気になりました。また本体内部の熱によって、性能が多少変わる点も気になります。快適に使いたいなら、ノートPC冷却台などを利用するといいかもしれません。
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