
MSIのコンパクトAIワークステーション『PRO MAX EDGE AI+ 11M-008JP』が11月5日に発売されました。Ryzen AI Max+ 395 / 128GBメモリー / 2TB SSDの構成で、価格は81万8000円。現在はMSIストアとPC量販店のアプライドで販売されています。

MSI PRO MAX EDGE AI+
128GBのユニファイドメモリーのうち、最大96GBをVRAMに割り当て可能。120BクラスのLLMをローカルで動かせるのがウリです。重要な情報をクラウドへ渡さない、セキュアなローカルLLM環境として利用できるとのこと。
とは言えそれってこの機種だけの特徴ではなく、Ryzen AI Max+シリーズ搭載機やDGX Spark互換機、Mac Studioなどにも言えることなんですよね。最近ではさらに、同じWindows環境向けのRTX Spark搭載機も出てきました。
さらにちょっと気になるのは、2025年初頭にリリースされたRyzen AI Max+ 395が使われている点です。すでに2025年春には中国メーカーから128GBメモリー搭載機が出回っていますし、その後に海外では大手メーカーの製品もリリースされました。すでに後継のRyzen AI Max+ PRO 495搭載機が出ている状況なのに、いまRyzen AI Max+ 395なのは周回遅れな印象を受けます。
PRO MAX EDGE AI+の製品紹介ページでは各モデルのベンチ結果が出ているものの、他社製品と大きく変わるほどではありません。たとえばGPT-OSS 120Bの毎秒33.29トークンは、AMDが2025年8月に公表した「最大30トークン/秒」とほぼ同じ水準です。ツールやドライバーの更新ぶんやハードウェア設計の差違を考えれば、誤差の範囲と言っていいでしょう。

MSI PRO MAX EDGE AI+のAI性能
では他社の同CPU搭載機と何が違うのか。まず目に見えるのは、筐体サイズです。本体サイズは幅97.5×奥行き188.4×高さ248.5mmで、容積は約4リットル。他社製品と比べると、最大で2倍程度の大きさがあることがわかります。これは本体内部に300Wの電源を内蔵しているからでしょう。ただそれとは別にPCマニアの視点からだと、ゲーミングPCなどで熱設計 / 熱対策には定評のあるMSIが他社製品よりも明らかに大きくしたという点に、なんらかの思惑があるようにも思えてしまいます。
筐体サイズの比較
| 機種名 | サイズ(幅×奥行き×高さ) | 体積 | 重量 |
|---|---|---|---|
| MSI PRO MAX EDGE AI+ | 97.5×188.4×248.5mm | 約4L(公称) | 約3.1kg |
| GMKtec EVO-X3 | 353×186×41mm | 約2.7L | 約2.3kg |
| GMKtec EVO-X5 Pro | 80×195×221mm | 約3.4L | 約2.5kg |
| ACEMAGIC F9A | 158.5×158.5×81.5mm | 約2L(公称) | 約1.4kg |

インターフェース構成
スペック
| OS | Windows 11 Pro |
|---|---|
| CPU | Ryzen AI Max+ 395(Zen5、16コア/32スレッド、最大5.1GHz) |
| メモリー | LPDDR5X-8000 128GB(最大96GBをVRAMに割り当て可能) |
| SSD | 2TB PCIe 4.0 NVMe(M.2 2280、空きM.2スロット×1) |
| グラフィックス | Radeon 8060S(CPU内蔵) |
| 通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、有線LAN(2.5Gb) |
| インターフェース | USB4×2、USB 3.2 Gen 2 Type-A×3、USB 2.0 Type-A×2、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4a、SDカードスロット(UHS-II)、ヘッドホン端子×2 |
| 電源 | 300W 内蔵 |
| サイズ | 幅97.5×奥行き188.4×高さ248.5mm(約4L) |
| 重量 | 約3.1kg |
見えない部分としては、大手メーカーとしての信頼が挙げられます。これは中国のミニPCメーカーは信頼度が低いという話ではなく、創業から40年の実績を重ねてきた、PC業界では老舗とも言えるメーカーに対する安心感です。製品そのものだけではなく、サポートや販路なども含めたもので、特に法人営業では重視されることも少なくないでしょう。企業によっては、こういうメーカーの製品しか導入しないというところも現実にあります。
ただまあ、そういった部分を重視しないのであれば、81万8000円という価格に思うところがあるのも事実です。中国ミニPCメーカーの製品なら60~70万円あたりで購入できますし、予算が潤沢にあるところなら、Ryzen AI Max+ PRO 495+192GBメモリー搭載機を買うほうが有利。その意味で、ちょっと中途半端な印象を受けてしまいます。
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