VAIO FL15は、15.6インチのフルHDディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。Ryzen 3 4300U / 8GBメモリー / 256GB SSDの構成で価格は9万9800円と、VAIO製品のなかではエントリー(入門)クラスに位置づけられています。
※この製品はすでに販売が終了しています

VAIO FL15
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

VAIO FL15
スペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
ディスプレイ | 15.6インチ 1920×1080 非光沢 タッチ非対応 |
CPU | Ryzen 3 4300U(4コア4スレッド) |
メモリー | 8GB LPDDR4x ※オンボード |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 |
インターフェース | USB3.0 Type-C(充電 / 映像出力対応)×1、USB3.0×2、HDMI、microSDカードスロット、ヘッドホン端子 |
生体認証 | なし |
サイズ / 重量 | 幅358.7×奥行き239.2×高さ20.5mm / 約1.85kg |
バッテリー | 約7.5時間 |
本体デザイン

ホワイトの本体カラー。天板中央のロゴは鏡面仕上げのシルバー

ベゼルと底面部はブラック。横から見ると、白と黒のしま模様のように見えます

ボディは樹脂(プラスチック)製。表面はややザラつきのあるツヤ消し加工で、指紋の跡はまったく目立ちません

キーボード面はホワイトで、キートップの文字はグレー

15.6インチタイプとしてはベゼルが細く、ディスプレイ周りがスッキリとしています

インターフェースは多くはないものの、十分な構成です。有線LANには非対応なので注意

電源アダプターは丸口タイプ。重さは241g

スピーカーは底面左右に配置。音はかなりこもっており、チープに聞こえます。人の声が含まれる中音域は比較的クリアーで、ビデオ会議や音声通話には問題なく使えるでしょう

排気口はこの部分。排気が直接ディスプレイに当たります

底面部には通気口
サイズと重量

本体サイズは幅358.7mm、奥行き239.2mm

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較。B4サイズよりもやや大きい程度で、15.6インチタイプとしては標準的な大きさです

厚さは実測で20.3mm(突起部を除く)。数値としては標準的ですが、実際に手で持つとわりとスリムな印象を受けます

本体背面。底面部のゴム足(突起部)を含めた設置時の高さは21.9mm。設置時でも特に厚くは感じません

重さは実測で1.759kg。15.6インチとしては軽量で、実際に手で持っても軽く感じます
ディスプレイについて

画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドット(フルHD)。ノートPCとしてはもっともスタンダードな組み合わせです

映像は自然な色合いですが、画面がやや暗いため寒色系の色合いに見えます。スマホやタブレットほどの鮮やかさはありませんが、文字中心の作業には問題なく使えるでしょう

画面はやや暗く感じましたが、作業には問題ないレベルです
キーボードについて

VAIO FL15のキーボード。日本語配列でバックライトには対応していません

テンキーが一般的な4列構成ではなく、ややクセのある3列構成です

キーピッチは19.05mmで、キーストロークは1.0mm。キー同士の広さは十分ですが、ストロークがかなり浅め。クリック感が固いので手応えはしっかりと感じられますが、指を打ち抜くようにして打つ人には不向きです。軽いタッチで入力する人向き

タイプ音は軽い力でもカクカクと聞こえます。静かな場所では周囲への配慮が必要かもしれません

ディスプレイを開くとキーボードが持ち上がるリフトアップ機構

タッチパッドは誤クリックしにくいボタン分離型
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 3 4300U |
---|---|
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
※ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「VAIO推奨設定」に設定した上で、電源アダプターを接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、旧世代のRyzen 3 4300Uが使われています。すでに2世代前ということもあって、現行世代のCPUよりも性能はかなり控えめです。とは言え、ネットの調べ物や動画視聴、ちょっとした文書作成には問題なく使えるでしょう。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R23 CPUスコア |
---|---|
Core i7-1280P |
12396
|
Ryzen 7 6800U |
10183
|
Ryzen 7 5825U |
9728
|
Core i7-1260P |
8447
|
Ryzen 5 5625U |
7580
|
Core i7-1250U |
7552
|
Core i5-1235U |
5989
|
Core i3-1215U |
5715
|
Ryzen 3 5400U |
5693
|
Core i5-1135G7 |
4932
|
Core i7-1165G7 |
4711
|
VAIO FL15(Ryzen 3 4300U) |
4009
|
Core i3-1115G4 |
3378
|
※10分間実行し続けた際の最終スコア。そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの性能差 (シングルコア性能)
CPU | CINEBENCH R23 CPUスコア |
---|---|
Core i7-1280P |
1733
|
Core i7-1250U |
1726
|
Core i3-1215U |
1661
|
Core i7-1260P |
1648
|
Core i5-1235U |
1648
|
Core i7-1185G7 |
1484
|
Ryzen 7 6800U |
1471
|
Ryzen 7 5825U |
1433
|
Core i7-1165G7 |
1423
|
Ryzen 5 5625U |
1404
|
Core i5-1135G7 |
1349
|
Core i3-1115G4 |
1329
|
Ryzen 3 5300U |
1125
|
VAIO FL15(Ryzen 3 4300U) |
1103
|
※10分間実行し続けた際の最終スコア。そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。性能はかなり低めです。ゲームやグラフィックスソフトで効果は見込めません。あくまでも軽めの作業用です。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Radeon (Ryzen 5) |
784
|
VAIO FL15(Ryzen 3 4300U) |
737
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
VAIO FL15(Ryzen 3 4300U) |
2403
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではマルチコア性能とストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
ベンチマークテストの結果は悪くありません。旧世代のRyzen 3 4300Uでも、軽めの作業なら問題なくこなせることがわかります。ただ、やはり高性能なPCには及ばないようです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
8605
9477
8362
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
7269
6534
8253
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
4158
5363
6187
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は公称値で、約7.5時間とされています。一般的にバッテリー駆動時間の公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。
しかしVAIO FL15を使って最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、開始から7時間40分で休止状態へ移行しました。約7.67時間と、ほぼ公称値どおりの結果です。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 約7.5時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 7時間40分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 27分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間17分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
安くて手が届くVAIO
※本製品はすでに販売が終了しています
VAIOと言えば、品質は高いけれども値段も高いというイメージがあるかもしれません。確かにモバイル向けはそれなりに値段の高い高級PCですが、VAIO FL15はあくまでも一般家庭や一般ユーザー向け。普通に手が届く値段です。
ただそれでも、CPUがRyzen 3 4300Uで9万9800円(販売当時の価格)は安くはありません。海外メーカーであれば、6~8万円あたりが相場でしょう。この機種については国内組み立ての「安曇野FINISH」というわけでもないので、VAIOの持つブランドやサポートを重視する人向けです。

VAIO FL15
*
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