ミニPCレビュー

GEEKOM NUC AE7レビュー:Ryzen 9搭載で高コスパなミニPC【PR】

3.5
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GEEKOM NUC AE7

製品提供:ギコム株式会社

「GEEKOM NUC AE7」は、CPUとしてRyzen 9 7940HSを搭載したミニPCです。さらにメモリーは32GBで、ストレージは1TB SDD。性能を計測するベンチマークテストでは、デスクトップPC向けのCore i5よりも優れた結果が出ています。これだけ小さいのに超高性能な、ロマンあふれる機種です。

 

GEEKOM NUC AE7

Ryzen 9搭載でもコンパクトな「GEEKOM AE7」

 

ただし本体内部の熱が上がりすぎないよう、いろいろとチューニングされているような部分が見受けられました。特に騒音(ファンの回転音や排気口からの風切り音)が大きく、人によっては機になるかもしれません。高性能なミニPCにある程度の音は避けられませんので、ここをどう判断するかが評価の分かれ目だと思います。

 

この記事ではメーカーから提供された実機を使って、外観や性能、実際の使い心地などをレビューします。

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おことわり

このレビュー記事では、メーカー提供品を10日間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。

ミニPCに関してのご注意

ミニPCは中国のインディーズメーカーによるものが中心で、品質や信頼性に関しては大手メーカー製ほどではない場合があります。あくまでもPCマニア向けのオモチャとして考えてください。長期間安心して使いたいなら、大手メーカー製品を強くおすすめします。

スペック

発売日 2024年6月
OS Windows 11 Pro
CPU Ryzen 9 7940HS
メモリー DDR5-5600 32GB ※SO-DIMM、スロット×2、最大64GB
SSD 1TB PCIe SSD 最大2TB
グラフィックス Radeon 780M(RDNA3、CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth、有線LAN(2.5Gb)
インターフェース USB4×1(背面、PD/DP対応)、USB3.2 Gen2 Type-C(背面、PD/DP対応)、USB3.2 Gen2×2(前面×1+背面×1)、USB2.0(背面)、HDMI(4K@60Hz)×2、有線LAN×1、SDカードスロット、ヘッドホン端子
ドライブベイ なし
スロット M.2スロット×2(ストレージ用×1、Wi-Fi用×1)
付属品 VESAマウンタ、HDMIケーブル、電源アダプターなど
サイズ 幅117×奥行き112×高さ49.2mm
オフィス なし

Windowsのラインセンス

標準搭載のWindows 11 Proは、正規版のOEM(プリインストール版)ライセンスです。ミニPCのなかには個人利用不可のボリュームライセンス(VL)が使われている場合がありますが、GEEKOM AE7では問題なく利用できます。

GEEKOM NUC AE7

正規のOEMライセンスが使われています

技適マークについて

無線通信機器に必要な技適マークは、本体底面部にシールとして貼られています。

GEEKOM NUC AE7

本体底面部に技適マーク

 

上記番号は「総務省電波利用ホームページ」の検索結果で「AE7」のものとして登録されているのを確認しました。余談ですが「AE8」や「AE9」など、将来使うであろう型番も登録されています。

関連リンク

総務省電波利用ホームページ

PSEマークについて

電源アダプターには「電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマークがプリントされています。ただしマークとの併記が必要な事業者名は表示されていないように見えました。

GEEKOM NUC AE7

電源アダプターのPSEマークには、登記上の会社名がないように見えます

 

価格(記事執筆時)

スペック 価格
Ryzen 9 7940HS / 32GB / 1TB 9万4990円

※2024年7月21日時点、公式サイトの価格(5000円オフクーポン利用時)

パッケージ

GEEKOM NUC AE7

GEEKOM NUC AE7のパッケージ

GEEKOM NUC AE7

箱の中身

GEEKOM NUC AE7

ディスプレイ背面に取り付けるためのVESAマウント

GEEKOM NUC AE7

付属のHDMIケーブル

GEEKOM NUC AE7

付属の電源アダプターは120Wの丸口タイプ

GEEKOM NUC AE7

付属のACケーブル(ミッキー型)が3Pタイプなので、別途アダプターか2Pのミッキー型ケーブルを用意するといいでしょう

初期設定の際にキーボードから「@」を入力できず、Microsoftアカウントでサインインできない場合があります。その際はアカウント名に「test」、パスワードに「test」と入力してからわざとエラーを起こし、ローカルアカウントを作成してください。ネットワーク先の接続設定で「インターネットに接続していません」を選択しても、回避できます。Windows 11を使えるようになったら、「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」→「日本語(言語のオプション)」→「キーボード」→「レイアウトを変更する」で日本語キーボードに設定します

外観

GEEKOM NUC AE7の本体は、非常にコンパクトです。大きさは一般的なミニPCとほぼ同じ。このなかにRyzen 9のハイエンドCPUが収められているとは思えません。見た目では高級感があるものの、実際に手にすると若干のチープさを感じました。

GEEKOM NUC AE7

GEEKOM NUC AE7(左)とIntel N100搭載ミニPC(右)とのサイズ比較

GEEKOM NUC AE7

高さもほとんど変わりません

GEEKOM NUC AE7

GEEKOM NUC AE7の外観。本体カラーは明るいシルバー

GEEKOM NUC AE7

天面部にはプラスチック製のカバー。側面もプラスチック製です

GEEKOM NUC AE7

カバーは取り外し可能です

GEEKOM NUC AE7

横幅は実測で117.2mm

GEEKOM NUC AE7

縦方向の奥行きは実測で112.1mm

GEEKOM NUC AE7

正方形のように見えますが、わずかに横長です

GEEKOM NUC AE7

スマホ(Pixel 8 Pro)とのサイズ比較

GEEKOM NUC AE7

本体の高さ(突起部を除く)は45.7mm

GEEKOM NUC AE7

底面部のゴム足(突起部)を含めた高さは49.4mm。公称値の高さ49.2mmは、ゴム足を含めた際の数値のようです

GEEKOM NUC AE7

重さは実測で572g

GEEKOM NUC AE7

排気口は背面側

GEEKOM NUC AE7

吸気口は左右側面

インターフェース構成

端子類は十分な構成です。個人的には前面にもType-C端子があったほうがよかったとは思いますが、特に問題はないでしょう。またRyzen搭載PCはあまりUSB4に対応していないのですが、GEEKOM NUC AE7では1ポート用意されていました。

GEEKOM NUC AE7

前面にはUSB3.2 Gen2 Type-A×2、ヘッドホン端子、電源ボタン

GEEKOM NUC AE7

左側面にはSDカードスロット

GEEKOM NUC AE7

カード挿入時は少しだけ飛び出ます

GEEKOM NUC AE7

右側面にはセキュリティースロット(ケンジントンロック用)

GEEKOM NUC AE7

背面には電源コネクター、USB4、HDMI、有線LAN、USB3.2 Gen2 Type-A、USB2.0 Type-A、USB4、HDMI

改造・パーツ交換について

本体の分解方法

GEEKOM NUC AE7に分解は比較的簡単です。ただし途中でケーブルが内部のツメに引っかけられていたりするので、無理矢理こじ開けようとしないでください。あくまでも様子を見ながら、慎重に作業することをおすすめします。

GEEKOM NUC AE7

GEEKOM NUC AE7の底面部。この部分は金属製

GEEKOM NUC AE7

底面部のネジを外します

GEEKOM NUC AE7

ここは比較的簡単に取り外せます

GEEKOM NUC AE7

底面カバーにはSSD用の放熱板と放熱シートが取り付けられています。金属製カバー全体を使って、効果的にSSDを冷やしているのでしょう

GEEKOM NUC AE7

本体内部

GEEKOM NUC AE7

プラスチック製カバーの内側に金属製のフレームが組み込まれています。アンテナ線などが繋がっているため、これ以上の分解は諦めました

メモリーの増設方法

GEEKOM NUC AE7

メモリーはスロットから抜き差しすればOK。検証機では信頼性の高さで人気のCrucial製品が使われていました

SSDの増設・換装

GEEKOM NUC AE7

SSD用のスロットはType-2280のみ対応。検証機ではWodpositの1TBモデルが使われていました

GEEKOM NUC AE7

SSDのNANDチップ。「TA7BG95AYV」を検索したところ、キオクシアのTLCのようです

GEEKOM NUC AE7

こちらはコントローラーっぽいのですが、該当するチップは見つかりませんでした。もしかするとカバーで隠されているのかもしれません

ベンチマーク結果

検証機のスペック

CPU Ryzen 9 7940HS(Zen4、8コア16スレッド、最大5.2GHz、35~54W)
メモリー DDR5-5600 32GB(16GB×2)
ストレージ 1TB NVMe SSD
グラフィックス Radeon 780M ※CPU内蔵

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

パフォーマンス設定について

ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に、電源モードを「バランス」に設定した上でテストを行なっています。電源アダプターは接続した状態です。

CPU性能

CPUとしては、AMDのRyzen 9 7940HSが使われています。本来はゲーミングノートPC向けの消費電力をやや抑えたシリーズですが、それでも十分高性能です。

 

CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」では、とても優秀な結果が出ました。最近のミニPCと比較しても、なかなか高性能です。

 

最近のミニPCの性能比較

CPU PassMark CPU Mark Score
検証機(Ryzen 9 7940HS)
S1781
M14483
MINISFORUM UM773 Lite(Ryzen 7 7735HS)
S1571
M12478
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H)
S1723
M11651
MINISFORUM MS-01(Core i9-12900H)
S1720
M14156
GMKtec NucBox G3(Intel N100)
S796
M2882

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

 

一般用途向けのスタンダードデスクトップPCと比べても、CPU性能では上回っています。

 

デスクトップPCとの比較

CPU PassMark CPU Mark Score
検証機(Ryzen 9 7940HS)
S1781
M14483
Inspiron 3030S(Core i5-14400)
S1700
M11873
IdeaCentre 5i Gen 8(Core i5-13400)
S1772
M11826
Inspiron 3020(Core i5-13400)
S1723
M11651

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

 

GEEKOM NUC AE7には、パフォーマンス調整用のユーティリティーソフトは用意されていません。Windows 11の「設定」で「電源モード」を変更することで、ある程度のパフォーマンスを調整できます。ただし性能を向上させるために「最適なパフォーマンス」を選んでも、6%程度しか変わりません。普段使いでは、「バランス」を選べばいいでしょう。

 

最近のミニPCの性能比較

CPU PassMark CPU Mark Score
バランス
S1781
M14483
トップクラスの電力効率
S1100
M11857
最適なパフォーマンス
S1781
M15357

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

電源モードの違い

トップクラスの電力効率 消費電力が低く騒音も少ないが、パフォーマンスが低い
バランス 消費電力と性能のバランスを取った設定。標準設定
最適なパフォーマンス もっとも高性能なモード。騒音が大きくなる

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphics(Radeon 780M)が使われます。グラフィックス性能を計測する3Dベンチマークテストでは、最近の内蔵グラフィックスとしては優秀な結果でした。とは言え、大作ゲームや高度な動画編集を行なうほどではありません。

 

ノートPC向けGPUの性能(DirectX 12)

GPU 3DMark Time Spy Graphics
RTX 3050
4874
Intel Arc Graphics(Meteor Lake)
3759
GTX 1650
3444
検証機(Radeon 780M)
2940
Radeon 780M(RDNA3)
2727
Radeon 680M(RDNA2)
2350
Radeon 760M(RDNA3)
2282
Iris Xe
1522
Radeon 660M(RDNA2)
1189

※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。

 

テスト結果の見方

テスト名 概要
Essentials
(一般利用)
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する
Productivity
(ビジネス利用)
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する

 

目標値は大きく上回っており、一般的な作業であれば快適に利用できるでしょう。ほかのミニPCよりも高いスコアが出ており、快適な操作を期待できます。

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
検証機11205
LarkBox7142
M75q10256
UM77310783
GT13P10921
MS-0110849
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
検証機10332
LarkBox4879
M75q9930
UM7739785
GT13P6840
MS-017023
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
検証機9899
LarkBox2515
M75q5707
UM7738695
GT13P7429
MS-017978

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック(ミニPC)

LarkBox X 2023 Intel N100 / 12GB / UHD
ThinkCentre M75q Gen2 Ryzen 7 PRO 5750GE / 32GB / Radeon
UM773 Lite Ryzen 7 7735HS / 16GB / Radeon 680M
GEEKOM GT13 Pro Core i9-13900H / 32GB / Iris Xe
MS-01 Core i9-12900H / 32GB / Iris Xe

クリエイティブ性能

「UL Procyon」は、世界的にも利用者が多く「デファクトスタンダード」とも言えるアドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測します。「PCMark 10」と比べて、より高度で実践的なテストを行なう点が特徴です。

テスト結果の見方

テスト名 概要
Photo Editing 「Photoshop」と「Lightroom Classic」を利用した、写真の加工・出力に関する総合評価
Video Editing 「Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間からスコアが算出される

 

検証機とそのほかのミニPCの結果は、以下のグラフのとおり。検証機では全体的にやや低めの結果が出ました。インテルCPUはPremierに強いのですが、そのメリットもあまり出ていないようです。とは言え、軽めの作業であれば問題ない範囲でしょう。

 

クリエイティブ性能の比較

CPU UL Procyon
検証機
P5772
V7195
MINISFORUM UM773 Lite
※エラー
V7234
GEEKOM GT13 Pro
P4631
V5491
MINISFORUM MS-01
P5349
V7755

※「P」は「Photo Editing」、「V」は「Video Editing」。スコアは当サイトの実機計測結果

比較機のスペック(ミニPC)

UM773 Lite Ryzen 7 7735HS / 16GB / Radeon 680M
GEEKOM AE7 Ryzen 9 7940HS / 32GB / Radeon 780M
MS-01 Core i9-12900H / 32GB / Iris Xe

ゲーム性能について

ゲーム系ベンチマークテストやプレー中のフレームレート計測を行なったところ、軽めのタイトルであれば、画質をかなり落とすことでそこそこ遊べそうな結果が出ています(平均60 fps超)。

エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(やや軽い)

GEEKOM NUC AE7

フルHDの最低画質で、65~90fpsあたり。平均値としては普通に遊べるレベルですが、ときおり画面のカクつきを感じました。カジュアルプレーならなんとか。

原神(軽い)

GEEKOM NUC AE7

フルHDの最低画質でほぼ60fps前後。ただし派手なエフェクトやオブジェクトが多いシーンではフレームレートが落ちるかもしれません。とりあえずは遊べるレベル。

FF14ベンチ(やや重い)

GEEKOM NUC AE7

フルHDのデスクトップ向け標準品質(最低プリセット)で「5485」の「普通」。平均フレームレートは38.3fps。ゲーム機なら30fpsで想定して作られた作品であれば問題ありませんが、PC向けの高フレームレート向けに作られた作品だと、たとえば「普通」という評価でも厳しいでしょう。「遊べないことはないけどね」的なレベルだと思います。

SF6ベンチ(軽い)

GEEKOM NUC AE7

フルHDの最低画質で「快適にプレーできます」。とりあえずは普通に遊べるレベルだと思います

ブループロトコルベンチ(軽い)

GEEKOM NUC AE7

フルHDの低画質で「14216」の「極めて快適」

サイバーパンク2077(超重い)

GEEKOM NUC AE7

フルHDの最低画質で平均17.01fps。動きはカックカクでゲームになりません

熱と騒音について

CPUの熱について

※計測時の室温は28度前後。室温が変わると、結果が異なる場合があります

CPUに高い負荷がかかる「CINEBENCH R23」実行時の温度と商品電力を調べたところ、温度はほぼ一定で92度を維持しており、消費電力は多少の波があるものの45W前後を推移していました。このグラフを見ると、CPU温度が92度を超えないように調整されていることがわかります。温度としては低くありませんが、ベンチマークテストでもいい結果が出ていますし、なかなか優秀なチューニングではないでしょうか。

GEEKOM NUC AE7

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移

本体の熱と駆動音について

高負荷時には、天板丈夫がやや温かく感じました。とは言えデスクに据え置きで使うものなので、熱さが不快に感じる場面は少ないでしょう。

GEEKOM NUC AE7

GEEKOM NUC AE7

騒音(ファンの回転音や通気口からの風切り音)を計測したところ、軽作業時は「耳を澄ませば聞こえる」程度で基本的には静かです。しかし高い負荷がかかると、50dB以上のかなり大きい音が聞こえました。フルパワーで使うには、大きな音をガマンして使うことになりそうです。

 

駆動音の計測結果

待機中 38.7dB ほぼ無音
軽作業時 39.3dB 耳を近づけるとファンの回転音がわずかに聞こえる
高負荷時(CINEBENCH) 52dB前後 排気音が大きく聞こえる。置き場所によっては多少小さくなるものの、音はかなり目立つ
(参考)エアコンの最大出力時 48~58dBA前後

USBファンを使った強制冷却について

GEEKOM NUC AE7

GEEKOM NUC AE7が天板が外れるので、外した部分にUSBファンを設置して、内部を強制的に冷やしてみました。その際のCPU温度・CPU消費電力の推移が下のグラフです。平均温度は92度から91.7度にまで下がりましたが、個人的にはあまり効果がないように感じました。

GEEKOM NUC AE7

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移

 

しかしグラフをよく見ると、消費電力の平均値が微妙に上がっていることがわかります。通常時は平均45Wあたりでしたが、ファンによる強制冷却時は50W程度でした。もしかすると、そのぶん性能が向上しているのかもしれません。

 

そこでファンのあり/なしを切り替えてCPUベンチマークを行なったところ、ファンありのほうがスコアは上でした。しかしその差はわずか2%程度で、誤差のようなものでしかありません。今回のUSBファンによる強制冷却については、気休め程度と考えていいでしょう。

 

ファンの有無によるCPU性能の違い(CINEBENCH R23マルチ)

ファンなし ファンあり
1回目 13795 14385
2回目 14125 14473
3回目 14095 14156
平均 14005 14338

 

考察とまとめ

GEEKOM NUC AE7

大手メーカー製PCよりも高コスパ

ベンチマーク結果はなかなか優秀です。これだけ小さい筐体でありながら、デスクトップPC向けCore i5を搭載したスタンダードデスクトップPCよりも優れたベンチマークスコアが出ています。値段もそれほど変わらない場合もありますし、コスパ優先ならこれでいいんじゃないでしょうか。大手メーカーほどの有償サポートや安心感はありませんが、その点が気にならない人にはいいと思います。

音の大きさが気にならないならアリ

ただ個人的には、駆動音の大きさが気になりました。うるさくて仕方がないというほどではないものの、常時聞こえるとストレスを感じる人もいるかもしれません。設置場所によっては多少軽減されるものの、ある程度の大きさはあると考えてください。

 

ただこの音の大きさは、本体内部をしっかり冷やしている結果と言えるでしょう。またCPU温度は上がりすぎないように調整されていますし、SSDの熱は底面カバーをも使って対策されています。こういった対策がちゃんと施されている点には好感が持てます。

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記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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