デルのInspiron 16 Plus(7610)(以下、”Inspiron 16 Plus”)は、16インチで解像度3072×1920ドットの3Kディスプレイを搭載するスタンダードノートPCです。CPUは第11世代Coreプロセッサ(H45)で、上位モデルはGeForce RTX 3050に対応。広いデスクトップと高いパフォーマンスを求める人に向いています。
ポイント
- 😄 RTX 3050搭載モデルあり
- 😄 スリムで高級感のあるデザイン
- 😄 高精細な3Kディスプレイ
- 🙄 重いゲームには不向き
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
※2021年11月12日時点
Inspiron 16 Plus(7610)のスペック
OS | ・Windows 11 Home / Pro ・Windows 10 Pro |
---|---|
ディスプレイ | 16インチ 3072×1920 非光沢 |
CPU | Core i5-11400H または Core i7-11800H |
メモリー | 8 / 16GB ※DDR4-3200、スロット×2 |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
グラフィックス | UHD / RTX 3050 |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
インターフェース | USB3.2 Gen1×2、Thunderbolt 4×1、HDMI2.0、SDカードスロット、マイク入力/ヘッドフォン出力共用端子 |
サイズ / 重量 | 幅355.28×奥行き247.5×高さ16.8~18.99mm / 約2.011kg |
バッテリー | 6セル 86WHr ※駆動時間は非公開 |
※2021年11月12日時点。構成は変更される場合があります
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
測定結果
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
Adobe RGBカバー率 | 80.0% |
DCI-P3カバー率 | 81.2% |
輝度 | 323nit(公称値300nit) |
リフレッシュレート | 60Hz |
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-11800H |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 3050 (4GB) ※最大65W |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第11世代のCore i5-11400HまたはCore i7-11800Hが使われています。標準TDPが45Wでゲーミング/クリエイター向けノートPC用の、いわゆる「Tiger Lake- H45」シリーズです。
CPU性能を計測するベンチマークテストを試したところ、同じCore i7-11800Hの平均値をやや下回る結果でした。もしかするとCPUの熱が上がりすぎるのを防ぐために、あえて性能を落としているのかもしれません。Core i5-11400H搭載モデルでも、平均値を下回る可能性があります。
とは言え、性能的には十分です。特に上位のCore i7モデルであれば、動画のエンコードや高度なデータ処理などでも活用できるでしょう。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 9 5900HX |
5262
|
Core i7-11800H |
4992
|
Ryzen 7 5800H |
4681
|
Inspiron 16 Plus(Core i7-11800H) |
4076
|
Ryzen 7 5800U |
3829
|
Ryzen 7 5700U |
3512
|
Core i5-11400H |
2992
|
Ryzen 5 5500U |
2817
|
Core i5-1135G7 |
2063
|
Ryzen 3 5300U |
2010
|
Core i7-1165G7 |
1963
|
Core i3-1115G4 |
1314
|
Ryzen 3 3250U |
818
|
Athlon Silver 3050U |
624
|
Celeron N4500 |
426
|
Celeron 6305 |
416
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のUHD Grapghicsまたは専用グラフィックスのGeForce RTX 3050が使われます。GPUなしのUHD Graphicsの場合、グラフィックス性能はごく控えめです。ゲームやクリエイター向けソフトを利用しない人に向いています。
外付けGPUのGeForce RTX 3050はエントリー(入門)クラスのため、ミドルレンジ以上のGPUと比べると性能はそこそこと言った程度です。しかしCPU内蔵のUHD Graphicsよりははるかに高性能。3Dベンチマークでは、前世代のエントリーGPUを上回る結果が出ています。ゲームやクリエイター向けソフトを利用する人向けです。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
11914
|
RTX 2080 |
9599
|
RTX 3070 |
8831
|
RTX 3060 |
8331
|
RTX 2070 |
7660
|
RTX 2060 |
5860
|
GTX 1660 Ti |
5626
|
RTX 3050 Ti |
5166
|
Inspiron 16 Plus(RTX 3050) |
4777
|
RTX 3050 |
4120
|
GTX 1650 Ti |
3686
|
GTX 1650 |
3178
|
Iris Xe (Core i7) |
1250
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
28566
|
RTX 2080 |
25078
|
RTX 3070 |
24153
|
RTX 3060 |
21725
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2060 |
15685
|
GTX 1660 Ti |
14451
|
RTX 3050 Ti |
13385
|
Inspiron 16 Plus(RTX 3050) |
12375
|
RTX 3050 |
11216
|
GTX 1650 Ti |
10123
|
GTX 1650 |
8758
|
Iris Xe (Core i7) |
4486
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
UHD (Core i7) |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。テスト結果の比較用にGPU非搭載の▶THIRDWAVE DX-T7(Core i7-1165G7+16GBメモリー)とエントリークラスのクリエイター向けノートPCの▶IdeaPad Slim 560 Pro(16)(Ryzen 7 5800H+16GBメモリー+GTX 1650)、ミドルレンジクリエイター向けノートPCの▶raytrek R5-CA(Core i7-10875H+16GBメモリー+RTX 3060)の結果もまとめました。
結果は非常に優秀です。快適に使える目安の目標値を大きく上回り、一般的な作業であれば問題なく行なえます。GPU非搭載のスタンダードノートPCよりも高い性能を発揮できるでしょう。またちょっとした作品作りであればミドルレンジ機と大きく変わらないパフォーマンスを期待できそうです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9667
9784
9925
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
8530
6630
9276
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
8109
4840
6814
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
クリエイティブ性能
UL Procyonは、アドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストです。「Photo Editing」ではPhotoshopとLightroom Classicを、「Video Editing」ではPremiere Proを利用します。テスト結果の比較用に同じ位置付けのデル製品▶Inspiron 15 Plus(Core i7-11800H + 16GBメモリー + RTX 3050 Ti)とエントリークラスのクリエイター向けノートPCの▶IdeaPad Slim 560 Pro(16)(Ryzen 7 5800H+16GBメモリー+GTX 1650)、ミドルレンジゲーミングノートPCの▶GALLERIA XL7C-R36(Core i7-11800H + 16GBメモリー + RTX 3060)の結果もまとめました。
Procyonベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Photo Editing |
6358
※エラー
4695
7406 |
Image Retouching |
6765
7217
4907
6708 |
Batch Processing |
5976
※エラー
4494
8178 |
Video Editing |
4578
4680
3268
5351 |
さすがに上位GPU搭載機を下回ったものの、前世代のGPUを搭載した機種よりも高いスコアが出ています。動画編集についてはスコアはそれほど高くはないものの、画像処理では十分な性能です。
起動時間
ウィンドウズの起動時間(バッテリー駆動時)は平均18.2秒でした。最近のSSD搭載ノートPCの平均は15秒前後ですので、起動はやや遅めす。とは言え、待たされている感はあまりありません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 18.2秒 |
---|---|
2回目 | 18.0秒 |
3回目 | 18.5秒 |
4回目 | 17.9秒 |
5回目 | 18.4秒 |
平均 | 18.2秒 |
ゲーム性能
RTX 3050搭載モデルであれば、FF14のような中規模クラス(少し重い程度)のゲームでも、フルHDの最高画質で快適に楽しめます。ただし重いゲームは、画質や解像度をグッと落とさないと厳しいでしょう。ゲームをプレーするのであれば、RTX 3050 Ti以上のGPU搭載機がおすすめです。
なおCore i5 / GPU非搭載モデルでは、スコアがさらに下がる可能性があります。特にGPU非搭載機種では、ごく軽いゲームしかプレーできないと思われます。またディスプレイのリフレッシュレートが60Hzなので、動きの速いゲームには向いていません。
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 10721 / 76.7 FPS |
高品質 | 13282 / 97.4 FPS |
標準品質 | 15790 / 117.9 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 13577 / すごく快適 |
標準品質 | 12928 / すごく快適 |
低品質 | 12393 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
高解像度ディスプレイで作業効率アップ
発色に優れ、高精細なディスプレイが魅力です。3072×1920ドットの3Kだったら4Kでもいいのでは? と思わなくもないのですが、4Kだとさらに値上がりするかもしれないので、コスパ的にはこのあたりがいいのかもしれません。
高精細なディスプレイは、写真や画像の加工を行なう人に向いています。色味は印刷レベルではないものの、ディスプレイ表示用や趣味のレベルであれば十分と言っていいでしょう。GPUはエントリー向けですが、画像処理であれば問題ないパフォーマンスです。
GPU非搭載モデルは、高度なデータ処理を行なう人や文書をガッツリ作る人向けです。処理をサクサクとこなせる上に、膨大なデータをまとめて表示できるので作業が大いにはかどるはず。高度な情報収集用にもいいかもしれません。
このように、Inspiron 16 Plusは高度な作業を効率よくこなしたい人のためのノートPCです。個人的には32GBメモリー搭載モデルがあっても良かったのではないかと思いますが、自分で増設してもいいでしょう。高いパフォーマンスと広いデスクトップを必要とする人におすすめします。
※2021年11月12日時点
*
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