デルのAlienware x17は、第11世代CoreプロセッサとGeForce RTX 30 Laptopシリーズを搭載するゲーミングノートPCです。グレード的にはミドルレンジ~ハイエンド向けで、非常に高いスペックが特徴。Nキーロールオーバーや最大360Hzの高リフレッシュレートなど、ゲーム向けの機能も充実しています。
ポイント
- 😄 360Hzの超高リフレッシュレート対応
- 😄 超ハイスペック構成に対応
- 😄 Nキーロールオーバー対応
- 🙄 価格が高い
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 11 Home / Pro または Windows 10 Home / Pro |
---|---|
ディスプレイ | 17.3インチ 非光沢 タッチ非対応 |
パネル | 1920×1080 165Hz / 1920×1080 360Hz G-SYNC対応 / 3840×2160 120Hz 100% Adobe RGB |
CPU | Core i7-11800H / Core i9-11980HK |
メモリー | 16 / 32GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB~4TB SSD ※デュアル可 |
グラフィックス | RTX 3060(6GB) / RTX 3070(8GB)/ RTX 3080(8GB) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、有線LAN |
インターフェース | Thunderbolt 4(USB PD / 映像出力対応)×1、USB3.2 Gen2×2、HDMI2.1、有線LAN、microSDカードスロット、Mini DisplayPort、ヘッドセット端子 |
生体認証 | なし |
サイズ / 重量 | 幅399.23×奥行き299.49×高さ20.9または21.4mm / 約3.02~3.2kg |
バッテリー | 6セル 86WHr ※駆動時間は非公開 |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i9-11980HK |
---|---|
メモリー | 32GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 3080 (16GB) |
最大グラフィックスパワー | 165W |
※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に設定した上で、標準収録ユーティリティー「Alienware Command Center」の「Thermal」を「最高速」に変更して実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、第11世代のCore i7-11800H / Core i9-11900HKが使われています。Core i9-11900HK搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、ゲーミングノートPC向けCPUとしては非常に優秀な結果出ました。Core i7-11800でも、パフォーマンスは期待できそうです。
ただし現在はすでに最新の第12世代Coreプロセッサ搭載した後継モデル「Alienware x17 R2」がリリースされています。第12世代のほうがより高いパフォーマンスを期待できるので、性能を重視するなら後継モデルを検討してみてください。
関連リンク
New Alienware x17 R2ゲーミング ノートパソコン
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-12700H |
6511
|
Alienware x17 R1(Core i9-11900HK) |
5728
|
Ryzen 9 5900HX |
5025
|
Core i7-11800H |
4736
|
Ryzen 7 5800H |
4681
|
Ryzen 5 5600H |
3618
|
Core i5-11400H |
2992
|
Core i7-11370H |
2285
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としてはミドルレンジのRTX 3060、ミドルハイ(アッパーミドル)のRTX 3070、ハイエンド向けのRTX 3080が用意されています。RTX 3080搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、ノートPCとしてトップクラスのスコアが出ました。RTX 3080であれば、重量級ゲームの4K(3840×2160)60Hzプレーでも問題ないでしょう。RTX 3070はWQHD(2560×1440)、RTX 3060はフルHD(1920×1080)に向いています。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
Alienware x17 R1(RTX 3080) |
12086
|
RTX 3080 |
11612
|
RTX 3070 |
9707
|
RTX 2080 |
9599
|
RTX 3060 |
8297
|
RTX 2070 |
7660
|
RTX 2060 |
5860
|
GTX 1660 Ti |
5626
|
RTX 3050 Ti |
5207
|
RTX 3050 |
4426
|
GTX 1650 Ti |
3686
|
GTX 1650 |
3178
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
28274
|
Alienware x17 R1(RTX 3080) |
26184
|
RTX 3070 |
25161
|
RTX 2080 |
25078
|
RTX 3060 |
21476
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2060 |
15685
|
GTX 1660 Ti |
14451
|
RTX 3050 Ti |
13528
|
RTX 3050 |
11051
|
GTX 1650 Ti |
10123
|
GTX 1650 |
8758
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
レイトレーシング性能も非常に優秀です。4Kレイトレーシングは厳しいかもしれませんが、フルHDであれば問題なくプレーできるはずです。
GPUの性能 (レイトレーシング)
GPU | 3DMark Port Royal Graphicsスコア |
---|---|
Alienware x17 R1(RTX 3080) |
7374
|
RTX 3080 |
7148
|
RTX 3070 |
5957
|
RTX 2080 |
5675
|
RTX 3060 |
4909
|
RTX 2070 |
4498
|
RTX 2060 |
3330
|
GTX 1660 Ti |
1487
|
RTX 3050 Ti |
585
|
RTX 3050 |
537
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
Core i9 + RTX 3080搭載の試用機では、ノートPCとしてはトップクラスの結果でした。特にコンテンツ制作のテストは断トツのスコアです。ゲームだけでなく、さまざまな用途で活用できます。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
10093
9477
8362
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
8702
6534
8253
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
10809
5363
6187
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
クリエイティブ性能
UL Procyonは、アドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストです。「Photo Editing」ではPhotoshopとLightroom Classicを、「Video Editing」ではPremiere Proを利用します。
グラフをご覧いただくとおわかりのとおり、全体的にトップクラスの性能です。Core i9 + RTX 3080モデルなら、ゲーム用ではなくクリエイティブワーク用として検討してもいいでしょう。
Procyonベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Photo Editing ※写真加工全般 |
7577
5677
6019
6358
7406
7121 |
Image Retouching ※Photoshop中心 |
7041
6180
6330
6765
6708
6673 |
Batch Processing ※Lightroom中心 |
8155
5215
5725
5976
8178
7601 |
Video Editing ※Premiere |
6478
2495
3910
4578
5351
6299 |
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
ROG Zephyrus M16 GU603 | Core i7-11800H / 32GB /RTX 3070 |
駆動音
駆動音(排気音やファンの回転音)は通常利用時には気になりませんが、高い負荷がかかっているときや高パフォーマンス設定にしているときは大きく聞こえました。爆音とまではいきませんが、気になる場合はパフォーマンス設定を下げるなどの対策を行なったほうがいいでしょう。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.2dBA | - |
---|---|---|
「Thermal」を「バランス」待機時 | 37.8dBA | ファンの回転音がハッキリと聞こえるが、うるさくは感じない |
「Thermal」を「バランス」高負荷時 | 49.8dBA | 排気音がやや大きめ。気になるほどではないが、ゲームの音はよく聞こえない |
「Thermal」を「最高速」 | 56.9dBA | 排気音がけっこう大きく、高音域のファンの回転音も聞こえる。ヘッドセットをすれば気になるほどではなく、部屋の外にもあまり聞こえない |
ゲーム性能
Core i9 + RTX 3080搭載機でゲーム系ベンチマークを試したところ、フルHDであればレイトレ有効でも快適、4Kであればレイトレ無効で画質を落とせば快適に楽しめます。TPS / FPS系はフルHDであれば平均200 FPSを超えますが、ディスプレイが4Kタイプだと120Hzまでしか対応していないため、外付けのゲーミングディスプレイを利用するといいでしょう。非常に優秀な結果です。
RTX 3070 / 3060搭載モデルでも、重量級タイトルを高画質設定でも平均60 FPS程度で楽しめます。
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | ※エラーのため未計測 |
標準品質 | ※エラーのため未計測 |
軽量品質 | ※エラーのため未計測 |
※スコアが6000以上で「快適」
GPU | FF15ベンチのスコア目安(高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
12484
|
RTX 2080 |
9427
|
RTX 3070 |
9067
|
RTX 3060 |
7792
|
RTX 2070 |
7530
|
RTX 2060 |
5584
|
GTX 1660 Ti |
5605
|
RTX 3050 Ti |
4855
|
RTX 3050 |
4122
|
GTX 1650 Ti |
3801.5
|
GTX 1650 |
3472.5
|
Iris Xe (Core i7) |
1347
|
Radeon (Ryzen 7) |
1027
|
※スコアは当サイト計測値の平均
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
フルHD
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 20265 / 149.4 FPS |
高品質 | 22086 / 164.4 FPS |
標準品質 | 23532 / 176.1 FPS |
4K
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 10019 / 68.9 FPS |
高品質 | 12128 / 85.4 FPS |
標準品質 | 13299 / 94 FPS |
GPU | FF14ベンチのFPS目安(最高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
141.7
|
RTX 2080 |
130.8
|
RTX 3070 |
126.6
|
RTX 3060 |
119.2
|
RTX 2070 |
109.1
|
RTX 2060 |
90.3
|
GTX 1660 Ti |
95.15
|
RTX 3050 Ti |
92.5
|
RTX 3050 |
76.3
|
GTX 1650 Ti |
69.65
|
GTX 1650 |
63.05
|
Iris Xe (Core i7) |
17.2
|
Radeon (Ryzen 7) |
17.9
|
※スコアは当サイト計測値の平均
ファークライ6(ちょっと重い / DX12)
フルHD/レイトレ無効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 98 FPS / 81 FPS |
高 | 101 FPS / 81 FPS |
中 | 109 FPS / 92 FPS |
低 | 117 FPS / 98 FPS |
フルHD/レイトレ有効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 75 FPS / 66 FPS |
高 | 78 FPS / 68 FPS |
中 | 82 FPS / 71 FPS |
低 | 102 FPS / 88 FPS |
4K/レイトレ無効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 50 FPS / 43 FPS |
高 | 58 FPS / 49 FPS |
中 | 64 FPS / 52 FPS |
低 | 71 FPS / 58 FPS |
4K/レイトレ有効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 42 FPS / 38 FPS |
高 | 47 FPS / 44 FPS |
中 | 51 FPS / 46 FPS |
低 | 64 FPS / 55 FPS |
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
フルHD DLSS:バランス
画質 / DLSS | 平均FPS / 最低FPS |
レイトレーシング:ウルトラ | 73.4 FPS / 41.09 FPS |
レイトレーシング:中 | 80.1 FPS / 46.82 FPS |
レイトレーシング:低 | 106.81 FPS / 55.98 FPS |
ウルトラ | 116.23 FPS / 56.76 FPS |
高 | 123.72 FPS / 63.3 FPS |
中 | 126.79 FPS / 65.62 FPS |
低 | 130.74 FPS / 65.88 FPS |
フルHD DLSS:バランス
画質 / DLSS | 平均FPS / 最低FPS |
レイトレーシング:ウルトラ | 28.63 FPS / 21.4 FPS |
レイトレーシング:中 | 28.17 FPS / 23.07 FPS |
レイトレーシング:低 | 38.61 FPS / 28.15 FPS |
ウルトラ | 41.52 FPS / 30.69 FPS |
高 | 63.41 FPS / 33.84 FPS |
中 | 73.63 FPS / 37.01 FPS |
低 | 76.88 FPS / 33.5 FPS |
GPU | ゲーム中のFPS目安(最高画質、レイトレオフ) |
---|---|
RTX 3080 |
92.5
|
RTX 3070 |
74.5
|
RTX 3060 |
77.7
|
RTX 2060 |
41.5
|
RTX 3050 Ti |
55
|
GTX 1650 Ti |
18.2
|
GTX 1650 |
16.8
|
※スコアは当サイト計測値の平均
アサシン クリード ヴァルハラ (重い)
フルHD
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 92 / 44 |
高+ | 99 / 41 |
高 | 104 / 47 |
中 | 122 / 53 |
低 | 138 / 79 |
4K
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 54 / 27 |
高+ | 59 / 30 |
高 | 61 / 29 |
中 | 72 / 38 |
低 | 85 / 41 |
GPU | ベンチマークFPS目安(最高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
83
|
RTX 3070 |
71
|
RTX 3060 |
63
|
RTX 3050 Ti |
35
|
RTX 3050 |
21
|
GTX 1650 Ti |
22
|
GTX 1650 |
33
|
※スコアは当サイト計測値の平均
エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(中量級)
フルHD
画質 | 平均FPS / 最低FPS(1percentile) |
最高画質 | 218.2 / 149.4 |
最低画質 | 281.2 / 160.3 |
※実際のプレーではこの結果よりもFPSが低下します
4K
画質 | 平均FPS / 最低FPS(1percentile) |
最高画質 | 100.1 / 73.3 |
最低画質 | 114 / 60.8 |
※実際のプレーではこの結果よりもFPSが低下します
レインボーシックス シージ(軽い)
フルHD
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 270 / 224 |
超高 | 270 / 229 |
高 | 269 / 219 |
中 | 277 / 227 |
低 | 294 / 255 |
※ゲーム内ベンチマークの結果
4K
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 102 / 89 |
超高 | 101 / 89 |
高 | 101 / 88 |
中 | 106 / 93 |
低 | 113 / 99 |
※ゲーム内ベンチマークの結果
CS:GO FPS Benchmark(軽い)
フルHD
画質 | 平均FPS |
最高画質 | 273.31 |
最低画質 | 299.63 |
※ワークショップ内のマップ「FPS Benchmark」を使用
4K
画質 | 平均FPS |
最高画質 | 146.98 |
最低画質 | 173.13 |
※ワークショップ内のマップ「FPS Benchmark」を使用
エルデンリング
最高画質
画質 | 平均FPS / 最低FPS(1percentile) |
フルHD | 59.7/49.5 |
4K | 42.3 / 26.9 |
※フィールドを1分間走り回ったときのFPS。上限60FPS
品質が高いけど値段も高い
全体的に品質の高い機種です。パフォーマンスはもちろん、Nキーロールオーバーのキーボードや高リフレッシュレート対応のディスプレイなど、ゲームを快適に楽しむための機能もキッチリ押さえています。選んでも間違いはない機種だと言っていいでしょう。
ただし4Kモデルについては、ゲーム用よりもクリエイティブワークに向いています。リフレッシュレートが120Hzのため、せっかくの高いスペックを活かしきれません。高リフレッシュレートでゲームを楽しみたい場合は、外付けのゲーミングディスプレイを利用してください。
気になるのは、本体が巨大である点と値段が高い点。本体の大きさについてはなんとかガマンできるものの、値段が高すぎて手が出ないことがあるかもしれません。正直なところそこまで払うべきかどうか判断が難しいのですが、金額が購入障壁でないならアリではないでしょうか。
関連リンク
New Alienware x17 R2ゲーミング ノートパソコン
*
当サイトでは2~3万円台の格安ノートPCから高性能ノートPCまで、さまざまな最新モデルを検証・解説しています。記事の更新情報やお買い得情報を当サイトのツイッターアカウントでお知らせしているので、ぜひフォローをお願いします。
ツイッターでこまめブログをフォローする
関連記事