HP ProBook 635 Aero G8は、13.3インチディスプレイを搭載するビジネス向けのモバイルノートPCです。重量1kg前後の超軽量タイプでありながら、とても頑丈に作られている点が特徴。さらにAMDのZen3 Ryzen搭載で、モバイルノートPCとしてはトップクラスの性能を誇ります。モバイルノートPCとしての魅力の詰まった機種です。
ポイント
- 😄 超軽量ボディ
- 😄 高性能なZen3搭載
- 😄 MIL-STD-810G準拠
- 😄 LTE対応(後日発売)
- 🙄 デュアルチャネルに対応しづらい
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
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スペック
OS | Windows 10 Pro または Windows 11 Home / Pro |
---|---|
ディスプレイ | 13.3インチ 1920×1080 非光沢 タッチ非対応 400nit UWVA |
CPU | Ryzen 3 5400U / Ryzen 5 5600U / Ryzen 7 5800U |
メモリー | 8GB(8GB×1) / 16GB(16GB×1) / 32GB(16GB×2) ※2スロット、DDR4-3200 |
ストレージ | 128GB~1TB NVMe SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、4G LTE(現在は未発売) |
インターフェース | USB Type-C(USB PD / 映像出力対応)×1、USB Type-A×2、HDMI、ヘッドフォン出力、nanoSIMカードスロット(LTE対応モデルのみ) |
生体認証 | 指紋センサー |
サイズ / 重量 | 幅307.6×奥行き204.5×高さ17.9mm(最薄部) / 約999g |
バッテリー | 最大14.8時間(42Whr)または最大18.7時間(53Whr) |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 3 5400U |
---|---|
メモリー | 8GB(8GB×1) |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
※各ベンチマークテストは、Windows 10の電源モードを「バランス」に設定した上で、電源アダプターに接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、AMD Zen3世代のRyzen 3 5400U / Ryzen 5 5600U / Ryzen 7 5800Uが使われています。もっともランクの低いRyzen 3 5400U搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、インテル第11世代Core i5相当の結果が出ました。よっぽど重い処理を行なわない限り、Ryzen 3モデルでも十分でしょう。ただ、とにかくパフォーマンスを重視するなら上位のRyzen 5 / Ryzen 7モデルでもアリです。
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
19702
|
Ryzen 5 5600U |
18801
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
Core i7-1185G7 |
13135
|
Ryzen 5 5500U |
12362
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3 5400U) |
11695
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Ryzen 3 3250U |
4441
|
Athlon Silver 3050U |
3351
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
3792
|
Ryzen 5 5600U |
3640
|
Ryzen 7 5700U |
3512
|
Ryzen 5 5500U |
2817
|
Core i7-1185G7 |
2301
|
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3 5400U) |
2104
|
Core i5-1135G7 |
2063
|
Ryzen 3 5300U |
2010
|
Core i7-1165G7 |
1963
|
Core i3-1115G4 |
1314
|
Ryzen 3 3250U |
818
|
Athlon Silver 3050U |
624
|
Celeron N4500 |
426
|
Celeron 6305 |
416
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
なお2022年の4~6月にかけてインテルの第12世代Coreプロセッサ、AMDのZen3+世代Ryzen 6000シリーズを搭載した機種が発売される予定です。ともに従来のCPUよりもパフォーマンスが大きく向上すると予想されています。
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。Ryzen 3 5400U搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、最近の内蔵グラフィックスとしては低めの結果でした。とは言え、ゲームやクリエイター向けソフトを利用しないのであれば、それほど気にする必要はありません。
ちなみにRyzenシリーズはメモリーがデュアルチャネルで動作すると、グラフィックス性能が大きく向上します。ただし8GBメモリー搭載モデルは8GB×1で、16GBメモリー搭載モデルは16GB×1の構成。どちらもデュアルチャネルに対応していません。32GBを搭載するか自分でメモリーを増設しない限り、デュアルチャネルには対応しないので注意してください。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
Radeon (Ryzen 5) |
784
|
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3) |
690
|
Radeon (Ryzen 3) |
619
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3) |
2144
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
HP ProBook 635 Aero G8のRyzen 7モデルではコンテンツ制作のテストでスコアが低いものの、一般利用とビジネス利用のテストでは非常に優秀な結果が出ています。普段使いや事務処理中心であれば、パフォーマンスは20万円オーバーのプレミアムPCと変わりません。その意味で、Ryzen 3 5400Uは非常にコスパの高いCPUと言っていいでしょう。
上位のRyzen 5やRyzen 7を搭載したモデルなら、さらに高いスコアを期待できます。ただし大きく伸びるのはコンテンツ制作のテストのみで、そのほかはそれほどスコアは変わらないはずです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9188
9477
8362
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
8237
6534
8253
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
4449
5363
6187
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は公称値で、最大14.8時間(42Whr)または最大18.7時間(53Whr)とされています。しかし公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。
そこで53Whrバッテリー搭載のRyzen 3モデルで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、14時間程度(結果のスクリーンショットを紛失してしまったためおおよその時間しかわかりませんでした)で休止状態へ移行しました。モバイルノートPCとしては、十分な結果です。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 3 53Whrモデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大18.7時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 14時間程度 |
50%充電までにかかった時間 | - | 43分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間15分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
超軽量で頑丈かつパワフルなビジネスノートPC
「超軽量」「長時間駆動」「頑丈」「高性能」「LTE対応」と、モバイルノートPCとしての魅力がつまった機種です。最安のRyzen 3モデル(LTE非対応)は8万円台からと、値段はお手ごろ。特にZen3の性能はすさまじく、現時点で最強クラスのビジネスモバイルと言っていいでしょう。
残念なのは、現時点でLTE対応モデルが販売されていない点です。値段は非対応モデルから1~2万円程度上乗せされるかもしれませんが、他社のLTE対応モバイルノートPCと比較しても安くすむはず。個人的にはキーボードの軽さが気になりましたが、コスパの高いビジネスPCとして検討する価値はあると思います。
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※クーポンはタイミングによって利用できない場合があります