ノートパソコンレビュー

HP ProBook 635 Aero G8レビュー:超軽量&LTE対応のZen3搭載モバイルノートPC

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HP ProBook 635 Aero G8

HP ProBook 635 Aero G8は、13.3インチディスプレイを搭載するビジネス向けのモバイルノートPCです。重量1kg前後の超軽量タイプでありながら、とても頑丈に作られている点が特徴。さらにAMDのZen3 Ryzen搭載で、モバイルノートPCとしてはトップクラスの性能を誇ります。モバイルノートPCとしての魅力の詰まった機種です。

 

HP ProBook 635 Aero G8

HP ProBook 635 Aero G8

この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

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スペック

OS Windows 10 Pro または Windows 11 Home / Pro
ディスプレイ 13.3インチ 1920×1080 非光沢 タッチ非対応 400nit UWVA
CPU Ryzen 3 5400U / Ryzen 5 5600U / Ryzen 7 5800U
メモリー 8GB(8GB×1) / 16GB(16GB×1) / 32GB(16GB×2) ※2スロット、DDR4-3200
ストレージ 128GB~1TB NVMe SSD
グラフィックス Radeon Graphics(CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、4G LTE(現在は未発売)
インターフェース USB Type-C(USB PD / 映像出力対応)×1、USB Type-A×2、HDMI、ヘッドフォン出力、nanoSIMカードスロット(LTE対応モデルのみ)
生体認証 指紋センサー
サイズ / 重量 幅307.6×奥行き204.5×高さ17.9mm(最薄部) / 約999g
バッテリー 最大14.8時間(42Whr)または最大18.7時間(53Whr)

本体デザイン

HP ProBook 635 Aero G8 外観

HP ProBook 635 Aero G8の外観

 

HP ProBook 635 Aero G8 カラー

本体カラーは明るいシルバー。軽やかな印象です。サラサラとした心地よい手触りで、指紋の跡はほとんど気になりません

 

HP ProBook 635 Aero G8 天板

天板は軽くて頑丈なマグネシウム製。電波の受信感度を高めるために、アンテナラインが配置されています

 

HP ProBook 635 Aero G8 キーボード面

キーボード面はアルミ製。手の重量がかかる部分なので、剛性の高い素材が使われています。キーの色はダークグレー

 

HP ProBook 635 Aero G8 ディスプレイ角度

ディスプレイはほぼ180度まで開閉可能

 

HP ProBook 635 Aero G8 ベゼル

ディスプレイのベゼル(枠)は細め。画面周りがスッキリとしています

 

HP ProBook 635 Aero G8 インターフェース

インターフェースは十分な構成ですが、メモリーカードスロットには非対応。USB Type-Cは映像出力と充電が可能ではあるものの、Thunderboltには対応していません

 

HP ProBook 635 Aero G8 SIMカードスロット

LTE対応モデルにはnanoSIMカードスロットが用意されていますが、現在はLTE非対応モデルのみ販売されています

 

HP ProBook 635 Aero G8 指紋センサー

生体認証として指紋センサーを利用可能

 

HP ProBook 635 Aero G8 カメラ

ディスプレイ上部のWebカメラはプライバシーシャッター付き

 

HP ProBook 635 Aero G8 スピーカー

スピーカーはキーボード左右に配置。解像感はやや高めですが、低音域はやや弱く感じます。人の声が含まれる中音域は比較的クリアーに聞こえるので、動画視聴やビデオ会議向けです

 

HP ProBook 635 Aero G8 電源アダプター

電源アダプターは45Wの丸口タイプ。重さは233g

 

HP ProBook 635 Aero G8 排気口

排気口は背面部。使用中は排気がヒンジに当たるので、ディスプレイには直接当たりません

 

HP ProBook 635 Aero G8 底面

底面部

 

HP ProBook 635 Aero G8 頑丈

米国防総省制定の耐久基準「MIL-STD-810H」準拠。頑丈で壊れにくく作られています

 

HP ProBook 635 Aero G8 フォルム

頑丈ながらもシュッとしたスタイリッシュなフォルム

サイズと重量

HP ProBook 635 Aero G8 サイズ

本体サイズは幅307.6mm、奥行き204.5mm

 

HP ProBook 635 Aero G8 大きさ

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較A4サイズよりも若干大きい程度で、13.3インチタイプとしてはややコンパクトです

 

HP ProBook 635 Aero G8 厚さ

厚さは17.6mm(突起部含まず)。モバイルノートPCとしては標準的ですが、重量が非常に軽いので手で持つと数値以上の厚みを感じます

 

HP ProBook 635 Aero G8 背面

本体背面。底面部のゴム足(突起部)を含めた設置時の高さは20.5mm

 

HP ProBook 635 Aero G8 薄さ

PCとしては標準的な厚みですが、モバイル向けとしてはやや厚みがあります

 

HP ProBook 635 Aero G8 重さ

LTE対応モデルの重さは実測で1.08kg。実際に手で持つと、非常に軽く感じます

ディスプレイについて

HP ProBook 635 Aero G8 画面サイズ

画面サイズは13.3インチで、解像度は1920×1080ドット(フルHD)。モバイルノートPCとしては標準的なスペックです

 

HP ProBook 635 Aero G8 デスクトップ

デスクトップの文字の大きさは2~2.8mm程度(スケーリング150%)。文字の情報量としては1280×720ドット相当なので、スケーリングを125%あたりに下げるといいでしょう

 

HP ProBook 635 Aero G8 映像品質

ディスプレイの映像は自然な色合い。スマホやタブレットほど鮮やかではありませんが、ノートPCとしては標準的なクオリティーです

 

Vostro 5410 映像品質

ややランク低めのNTSC 45%ディスプレイ ※写真は別の機種

 

OMEN 17 映像品質

sRGB 100%の高品質なパネル ※写真は別の機種

 

HP ProBook 635 Aero G8 明るさ

明るさは公称値では400nitですが、数値ほど明るくは感じませんでした。とは言え、作業にはまったく問題のない明るさです

キーボードについて

HP ProBook 635 Aero G8 キーボード

キーボードはテンキーなしの日本語配列。バックライトには対応していません。電源ボタンが右上の微妙な位置にありますが、長押ししないと反応しないので誤操作はないでしょう

 

HP ProBook 635 Aero G8 キー

キーピッチは18.7mmでキーストロークは1.5mm。防滴仕様のキーボードです

 

HP ProBook 635 Aero G8 タイプ感

ストロークは一般的なノートPCの標準値と同程度確保されていますが、クリック感が弱くタイプ感は軽め。軸にややブレを感じます。軽い力で入力する人向きです

 

HP ProBook 635 Aero G8 タイプ音

タイプ音は控えめで、軽い力ならあまり気になりません。ただし強く打つとタンタンと響きます

ベンチマーク結果

試用機のスペック

CPU Ryzen 3 5400U
メモリー 8GB(8GB×1)
ストレージ 256GB SSD
グラフィックス Radeon Graphics(CPU内蔵)

※各ベンチマークテストは、Windows 10の電源モードを「バランス」に設定した上で、電源アダプターに接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

CPU性能

CPUとしては、AMD Zen3世代のRyzen 3 5400U / Ryzen 5 5600U / Ryzen 7 5800Uが使われています。もっともランクの低いRyzen 3 5400U搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、インテル第11世代Core i5相当の結果が出ました。よっぽど重い処理を行なわない限り、Ryzen 3モデルでも十分でしょう。ただ、とにかくパフォーマンスを重視するなら上位のRyzen 5 / Ryzen 7モデルでもアリです。

 

CPUの性能差 (総合性能)

CPU PassMark 10 CPU Markスコア
Ryzen 7 5800U
19702
Ryzen 5 5600U
18801
Ryzen 7 5700U
18089
Core i7-1185G7
13135
Ryzen 5 5500U
12362
Core i7-1165G7
11723
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3 5400U)
11695
Core i5-1135G7
11249
Ryzen 3 5300U
9527
Core i3-1115G4
6750
Ryzen 3 3250U
4441
Athlon Silver 3050U
3351
Celeron 6305
2302
Celeron N4500
2284

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

CPUの性能差 (マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R20 CPUスコア
Ryzen 7 5800U
3792
Ryzen 5 5600U
3640
Ryzen 7 5700U
3512
Ryzen 5 5500U
2817
Core i7-1185G7
2301
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3 5400U)
2104
Core i5-1135G7
2063
Ryzen 3 5300U
2010
Core i7-1165G7
1963
Core i3-1115G4
1314
Ryzen 3 3250U
818
Athlon Silver 3050U
624
Celeron N4500
426
Celeron 6305
416

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

なお2022年の4~6月にかけてインテルの第12世代Coreプロセッサ、AMDのZen3+世代Ryzen 6000シリーズを搭載した機種が発売される予定です。ともに従来のCPUよりもパフォーマンスが大きく向上すると予想されています。

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。Ryzen 3 5400U搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、最近の内蔵グラフィックスとしては低めの結果でした。とは言え、ゲームやクリエイター向けソフトを利用しないのであれば、それほど気にする必要はありません。

 

ちなみにRyzenシリーズはメモリーがデュアルチャネルで動作すると、グラフィックス性能が大きく向上します。ただし8GBメモリー搭載モデルは8GB×1で、16GBメモリー搭載モデルは16GB×1の構成。どちらもデュアルチャネルに対応していません。32GBを搭載するか自分でメモリーを増設しない限り、デュアルチャネルには対応しないので注意してください。

 

GPUの性能差(DirectX 12)

GPU 3DMark Time Spy Graphicsスコア
GTX 1650
3241
MX450
1996
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x)
1528
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x)
1302
Iris Xe(Core i7+DDR4)
1149
Radeon (Ryzen 7)
1000
Iris Xe(Core i5+DDR4)
977
Iris Plus
812
Radeon (Ryzen 5)
784
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3)
690
Radeon (Ryzen 3)
619
UHD
407

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

GPUの性能差(DirectX 11)

GPU 3DMark Fire Strike Graphicsスコア
GTX 1650
8513
MX450
4900
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x)
4734
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x)
4059
Iris Xe(Core i7+DDR4)
3420
Radeon (Ryzen 7)
3384
Iris Plus
2880
Radeon (Ryzen 5)
2652
Iris Xe(Core i5+DDR4)
2474
Radeon (Ryzen 3)
2324
ProBook 635 Aero G8(Ryzen 3)
2144
UHD
1335

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。

 

HP ProBook 635 Aero G8のRyzen 7モデルではコンテンツ制作のテストでスコアが低いものの、一般利用とビジネス利用のテストでは非常に優秀な結果が出ています。普段使いや事務処理中心であれば、パフォーマンスは20万円オーバーのプレミアムPCと変わりません。その意味で、Ryzen 3 5400Uは非常にコスパの高いCPUと言っていいでしょう。

 

上位のRyzen 5やRyzen 7を搭載したモデルなら、さらに高いスコアを期待できます。ただし大きく伸びるのはコンテンツ制作のテストのみで、そのほかはそれほどスコアは変わらないはずです。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
ProBook9188
Pro 89477
Studio8362
Inspiron9667
R5-CA9418
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
ProBook8237
Pro 86534
Studio8253
Inspiron8530
R5-CA7927
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
ProBook4449
Pro 85363
Studio6187
Inspiron8109
R5-CA8486

※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック

Surface Pro 8 Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe
Surface Studio Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti
Inspiron 16 Plus Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050
raytrek R5-CA Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060

バッテリー駆動時間

バッテリーの駆動時間は公称値で、最大14.8時間(42Whr)または最大18.7時間(53Whr)とされています。しかし公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。

 

そこで53Whrバッテリー搭載のRyzen 3モデルで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、14時間程度(結果のスクリーンショットを紛失してしまったためおおよその時間しかわかりませんでした)で休止状態へ移行しました。モバイルノートPCとしては、十分な結果です。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。

 

バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 3 53Whrモデル

テスト方法 バッテリー消費 駆動時間
※公称値 最大18.7時間
Modern Office (ビジネス作業) 14時間程度
50%充電までにかかった時間 43分
フル充電までにかかった時間 2時間15分

※テストの条件や計測方法についてはコチラ

超軽量で頑丈かつパワフルなビジネスノートPC

HP ProBook 635 Aero G8 

「超軽量」「長時間駆動」「頑丈」「高性能」「LTE対応」と、モバイルノートPCとしての魅力がつまった機種です。最安のRyzen 3モデル(LTE非対応)は8万円台からと、値段はお手ごろ。特にZen3の性能はすさまじく、現時点で最強クラスのビジネスモバイルと言っていいでしょう。

 

残念なのは、現時点でLTE対応モデルが販売されていない点です。値段は非対応モデルから1~2万円程度上乗せされるかもしれませんが、他社のLTE対応モバイルノートPCと比較しても安くすむはず。個人的にはキーボードの軽さが気になりましたが、コスパの高いビジネスPCとして検討する価値はあると思います。

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記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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